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哲学・宗教文化コース

【哲学・宗教文化コース】星野ゼミ:ゼミ合宿報告(2・3日目)

 前便で報告したとおり、星野ゼミでは、8月27日(木)から29日(土)までの2泊3日、大正大学京都アカデミアを拠点にゼミ合宿を行いました。今回は、その続編として2日目と3日目の学生たちによる報告です。2日目は大阪を歩き、3日目は京都御苑(とくに京都迎賓館)を見学しました。それぞれが何を見て、何を考えたのか。どうぞご覧ください。(星野)
 

2日目①大阪歴史博物館

 
 2日目、私たちは大阪市中央区にある大阪歴史博物館を訪れました。大阪歴史博物館は、大阪の古代から近現代までの歴史を、実物資料や模型などを通して紹介する博物館です。
 
 私が印象に残った展示は、江戸時代の大阪の「大阪三十三所観音廻り」の案内地図です。博物館の壁には露天神や太融寺の絵が大きく飾られており、当時の地図に詳しいことが書いてあるか見てみましたが、三十三所の寺社の位置しか載っておらず、実際の距離感などが全く分かりませんでした。ほかには、結髪再現雛形が二十二種類一列に並んでいて圧巻でした。それぞれ、どのような身分の人がしていた髪型なのか、だれが流行らせた髪型なのかなどが説明されていて興味深かったです。
 
 大阪歴史博物館は2001年に開館した市立博物館で、難波宮跡の隣に位置しています。古代から近代、現代にいたる「都市おおさか」の1350年を超える歴史を、実物資料や原寸大の復元模型を通して体感できます。
 
 私は卒業論文で、『曾根崎心中』に出てくる寺社や当時の人々のかかわり方、思想から、『曾根崎心中』を視点を変えて見てみたいと考えています。そのため、大阪歴史博物館の展示からは新たな知識を得て、さらに興味がわきました。
 
 実際に訪れてみて、歴史を学ぶ際には資料を見るだけでなく、町の構造や人々の生活を具体的にイメージすることが非常に重要だと感じました。私は、あまりフィールドワークを行いやすいテーマではないので、今回はすごく新鮮で、とても勉強になりました。(W)
 

大阪三十三所観音廻り地図

文楽人形かしら「蟹」

 

2日目②大阪城

 
 大阪城は、大阪市中央区に位置する日本を代表する歴史的な城郭です。豊臣秀吉によって16世紀に築かれ、その壮大な石垣や天守閣が特徴的です。戦国時代の重要な拠点であり、現在は大阪城公園として多くの観光客に親しまれています。また、大阪城公園内には秀吉が祀られている豊国神社があり、多くの参拝客が訪れます。
 

大阪城天守閣

 大阪城の天守閣は8階層で構成されています。1階にはインフォメーションカウンターやお土産屋があり、2、3、4、5、とんで7階では、各階で秀吉や大阪城にまつわる展示がされています。8階には地上約50mの高さから大阪城やその周辺を一望できる展望台が広がっています。
 
 大阪城はもともと石山大阪本願寺の跡地に築かれた城でした。1496年に浄土真宗の蓮如上人が建てた坊舎が大寺院に成長しましたが、1580年に天下統一を目指す織田信長によって寺院は炎上しました。1583年に羽柴(豊臣)秀吉によって大阪城が築城されましたが、秀吉没後の1615年、大阪夏の陣で落城しました。以降も焼失や復興を繰り返し、1997年には国の登録有形文化財に、2025年には大阪市指定有形文化財に登録されました。
 

豊国神社

 大阪城公園内にある豊国神社は、京都にある総本社の秀吉の分霊が「豊國大明神」として祀られています。同じように分霊を祀っている神社が全国にいくつかありますが、徳川政権の規制により、その数はあまり多くはありません。
   
 実際に大阪城を訪れてみて、想像していたよりも天守閣の内装が観光地化されていたことに驚きました。広大な大阪城公園内を歩いていると、長い歴史の中で何度も焼失と復興を繰り返しながら、日本の重要な拠点であり続けたということにも納得がいき、また行ってみたいと思わせる魅力にあふれていました。(N)
 

3日目:京都迎賓館

 
 3日目、われわれは京都御苑内に位置する京都迎賓館を訪問しました。京都迎賓館は、海外からの賓客をお迎えし、日本への理解と友好を深めることを目的に平成17年4月に開館されました。
 
 実際に中を見学し、特に印象に残ったのは、普段は一般に公開されていない水明の間です。ここは迎賓館の中でも特に格式の高い重要な部屋で、首脳会談も行われます。四季の花が刺繍された襖は、実際に見ると一つ一つの刺繍がとても細かく、細部まで職人のこだわりや美しさを大切にする姿勢を感じることができました。
 
 京都迎賓館は、平成6年の平安建都1200年の節目を機に、京都に和風の迎賓施設を建設する構想が持ち上がり、平成17年に14種類の伝統技能と現代の建設技術を融合させた現代和風の迎賓施設として開館しました。
 
 迎賓館は普段、外交の場として使われていますが、内閣府によって一般公開されることで、日本の伝統文化や「日本らしさ」に触れる特別な体験を来館者に生み出しているのではないかと思いました。日本への理解と友好を深めるという目的を、外国の賓客だけでなく、一般の人々にも伝える意味があるのではないかと考えました。
 
 実際に京都迎賓館を訪れて、普段は入ることのできない特別な空間にいるという感覚が強く印象に残りました。日本の伝統文化や自然との調和を感じられ、賓客を迎えるために丁寧に空間が作られていることがわかりました。実際の迎賓の場の雰囲気を体験できたと思います。(O)
 

京都迎賓館正面玄関

庭園

 

おわりに

 
 以上、楽しんで読んでいただけましたでしょうか。
 
 いつもゼミ合宿では、ただただ楽しむだけではなく、訪れた場所で各自が何かに引っかかり、それぞれの関心、そしてできれば卒業論文などにもつながる問いを持ち帰ってほしいと思って企画しております。その点において、本コースの学びと京都や大阪は、非常に相性がよいと感じています。
 
 今回の報告を読んでいても、三十三間堂の千手観音像から信仰や参拝者のあり方に問いを持つ人、京都国立博物館で文化財の保存と現代における継承について考える人、豊国神社でゲームと寺社観光の関係を考える人、建仁寺の庭園や美術作品から禅との関わりに関心を広げる人がいました。また、大阪歴史博物館の展示から卒業論文のテーマを深める人、大阪城を歴史と観光の両面から見る人、京都迎賓館を外交の場であると同時に伝統文化を体験する空間として捉える人と、それぞれの見方が表れていました。
 
 同じ場所を一緒に歩いても、何に目が留まり、そこから何を考えるかは人によって違います。そうした違いを持ち寄れることも、ゼミ合宿の面白さの一つだと思います。
 
 また、今回ゼミ合宿に参加したのは、全員星野ゼミの3年生でした。まだゼミが動き始めて半年ほどの時期に、2泊3日をともに過ごすことで、ゼミ生同士、少し仲良くなってくれたのではないかと期待しております。今後も、学生たちと旅をしながら、考え、学んでいきたいと思います。(星野)
 

京都御所前での集合写真

 
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