学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

教職コース

犬塚ゼミ卒論報告

今年も4年生ががんばって卒論を書き上げました。

犬塚ゼミでは多くの方に調査や実験にご協力いただきました。ありがとうございました。

手違いによりアップするのが遅くなってしまいましたが,犬塚ゼミの卒業生の卒業論文とその概要をご報告いたします。

調査や実験に大正大学の学生さんにご協力いただいたものについては,卒業生自身が書いた報告書もご覧いただけます。タイトルの横のアイコンをクリックしてください。

 

有馬菜々恵「青年期のファン行動に影響する要因‐自己愛,孤独感及びふれ合い恐怖に着目して‐」arimaのサムネイル

アイドルやタレントスポーツ選手などの「ファン」になるのはなぜでしょう。本研究では,青年期の特徴から,自己愛や孤独感,触れ合い恐怖といった要素が関係していると考えて調査を実施しました。調査の結果,女子において自己愛の一つの尺度である「自己主張性」が高いほどより熱烈なファン行動をとることが分かりました。性別によってファン行動を後押しする要因が異なっているのかもしれません。

 

 

小礒実夏「まじめを誉め言葉と受け取れないのはどんなときか」koisoのサムネイル

「まじめだね」と言われてもうれしくないときがあるのはなぜでしょう。本調査では,まじめという言葉が使われる文脈を「自己基準」「社会基準」の二つの基準で整理しました。両方の基準が満たされる場合と比べて,いずれか一方しか満たさない場合,またどちらも満たさない場合は「まじめ」が誉め言葉だと受け取られにくいことが分かりました。また,二つの基準のうち社会基準のほうがより重要であることや,親しい他者からの誉め言葉がより嬉しいと感じられることも分かりました。

 

松田郁恵「なぜ集団でいることを好むのかー規範意識と価値観に着目してー」matsudaのサムネイル

一人でいるより集団でいるほうが好き,という人は少なくありません。本調査では,そのような「みんなでいたい」という態度が「一人でいてはいけない」「みんなといるべきだ」という規範意識や「一人でいることには価値がない」と考える考える傾向(価値観)によって促進されると考えました。調査の結果からは,特に学校などで「みんなで課題に取り組む」という課題達成にかかわる場面において集団でいたいという傾向が,規範意識や価値観に影響されることが分かりました。一方,遊び場面などではこうした意識からの影響は少ないことが示唆されました。

 

三輪拓海 「就労経験と家庭内環境が大学生の勤労観に与える影響」miwaのサムネイル

仕事は何のためにするのか,と問われたとき,いくつかの考え方があります。本調査では,このような仕事に対する考え方を勤労観として定義し,アルバイトでの経験と家庭でのコミュニケーションの在り方との関連を調べました。その結果,円満で一緒に何かをやったりする一方で個々の自立を重視する家庭環境にある学生ほど「自分自身の生活の充実のために働く」という充実重視型の勤労観が高いことが分かりました。

 

田口 茜「他人の物が良く見えるのはなぜか」taguchiのサムネイル

同じものであっても他の人が持っているほうが素敵に見える,という経験はありませんか?本研究ではそのようなモノの評価に注目し,自尊心や自己受容,他者の特徴の観点から検討を行いました。その結果,自尊心や自己受容が高いほど自分のものも「よいもの」と評価しやすいこと,また他者が自分より優れていると認識している場合に,その人のモノが「よい」と評価する傾向にあることが分かりました。

 

田中陸人「学習における自律的動機づけに他者からの声かけが及ぼす影響」tanakaのサムネイル

だれかに「がんばれ」と言われるとやる気が湧きますが,これは誰が声掛けをしても同じでしょうか。またどんな言い方でも同じでしょうか。本調査では,相手によって効果が異なることを仮説として大学生を対象とした調査を実施しました。その結果,親・教師・友人では教師からの声掛けが最も効果的であること,また,効果的な声掛けの種類はこうした立場によっては異ならず,「みんながやっているよ」と「やるべき雰囲気」を強調するような声掛けが最も効果的でした。

 

小林和真 「ポジティブ・ネガティブフィードバックが書字スキルに与える影響」

よく「ほめて伸ばす」と言いますが,改善すべきポイントははっきり示されるほうが効果的な場合もあるのではないか,と考え,「美文字トレーニング」を題材とした実験を行いました。5回のトレーニングの結果,よいところを指摘される「ポジティブフィードバック」を受けたグループより,改善点を指摘された「ネガティブフィードバック」のグループのほうが,美しい文字とみなされるポイントをよく押さえた字を書くようになりました。

 

荒井円花「なぜ流行に乗るのか―意思決定に関わる個人差要因の検討―」araiのサムネイル

ファッションには毎年「流行」がありますが,この流行にしっかり「乗る」人とあまり気にしない人がいるようです。本研究では,流行に乗るかどうかには,「後悔したくない」と考え行動する傾向と「自分が好きなことやこだわりを追及したい」と考えて行動する傾向が関わっていると考えました。調査の結果からは,特に「自分が好きなことやこだわりを追求する」という傾向が高い人ほど流行の情報により注目していることが分かりました。一方,影響されやすさと流行への注目には小さい相関しかなく,流行に乗る人が流されやすい人とはいえないことが示唆されました。

 

西山晃允「外出着の着装基準は他者への意識によってどのように異なるのか」nishiyamaのサムネイル

今日その服を着ているのはなぜですか?本研究では,服を選ぶときの基準が「他者をどのように意識するか」によって異なるのではないかと考えて調査を実施しました。「賞賛獲得欲求」と「拒否回避欲求」と服を選ぶ基準の相関との相関が見られ,「人気者になりたい」「嫌われたくない」という意識が強いほど,服を選ぶときに様々な基準を重視する傾向があると考えられました。

 

土屋佳穂「アニオタ女子はなぜ痛バッグを作るのかーキャラに対する恋愛感情の観点からー」

本研究ではアニメが好きな女子の流行である「痛バッグ」に注目し,痛バッグ作りがどのような動機に支えられているのか質的な分析を行いました。研究からは,痛バッグを作る女子がアニメのキャラクターに一種の恋愛感情を抱いていることが示唆されました。しかし,恋愛感情がすぐに痛バッグにつながるわけではなく,痛バッグを通して友人とコミュニケーションすることを重視している場合も多く,痛バッグ作りが多様な動機に支えられていると考えられました。