学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

社会福祉学専攻

【社会福祉学専攻教員 Episode6】(金潔先生)

 わたしは主に、東アジアの子育て、施設養護、里親養育に関する国際比較研究をしています。大学院の時から「踏査」(実地に出向いて調査する)という研究スタンスを貫き、日本をはじめ、中国、韓国、シンガポールなどの児童福祉施設、里親家庭、子どものいる家庭を訪ね、実践に基づいた研究をライフワークとしてきました。

 今思えば、大学 3 年次の児童養護施設でのソーシャルワーク実習体験が、わたしのすべての研究のきっかけでした。子どもや家族の福祉ニーズに対応する具体的な養護実践の展開過程を重視した施設の存在意義を明らかにすることが大学院生時代の研究テーマでした。

その後、教員となって継続的に研究を進んでいくなかで、里親養育を推進することが重要な課題であると考え、子どものニーズを基盤とした望ましい社会的養護のあり方を問い続けています。これは子どもの権利条約に定める「子どもの家庭で成長する権利を保障する」ことをどう具体化していくかを考えるなかで特に関心を持ったテーマです。さらに、社会的養護を必要とする子どもは家庭から来ており、子ども家庭支援における子育ての課題を探求する研究も進めて来ました。

普遍性のある子ども家庭福祉を考究するなかで、自ら視野を拡げ深めること、そして地域のなかで人との関係性をつなぎながら生活文化や地域福祉文化の視点からのアプローチも重要です。

わたしは施設長、施設職員、里親、子どもたちとの多くの出会いと学びによって、実践活動・研究の幅が広がり、子どもと家庭の実態・ニーズの理解、課題の解決策のヒントをたくさん学ぶことができました。実践から生み出された理論の構築、そして、その構築された理論・知識を再び実践に生かす、その繰り返しの研究が求められると考えています。今後も、理論と実践との統合を図るための研究を進めていきます。

 

【社会福祉学専攻教員 Episode7】は 神山先生です。よろしくお願いします。

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