学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

社会福祉学専攻

山縣文治先生(関西大学)の招聘講義

7月20日(水)、山縣文治先生(関西大学)をお招きし、「子どもの権利・人権と子ども家庭施策の展開」というテーマで講義をしていただきました。

当日は、新型コロナウイルス感染の急拡大により、山縣先生のご講義を対面形式からオンライン形式に変更しましたが、グループ討議および受講生たちとの質疑応答を含めて実施されました。本大学院生、豊島区民社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカー、本学専任教員などが参加しました。



講義の前半では、子どもの権利・人権の定義、子ども家庭施策の展開、子ども家庭福祉ソーシャルワークの特性についてわかりやすく説明してくださり、後半は、受講生たちの関心ごとの児童虐待問題について、山縣先生ご自身の研究成果を踏まえて詳細かつ貴重な講義をしていただきました。

教室にいる受講生たちの様子からでも分かるように、山縣先生の講義に真剣に耳を傾けており、先生から与えられたテーマについて各自が積極的にグループ討議に参加し、先生からの講義内容のエッセンスを一生懸命吸収しようとしていました。



当日受講した社会福祉学専攻修士3年生早川穂乃香さん、1年生柿木祐輝さん、豊島区民社会福祉協議会科目等特別履修生矢野和絵さん、山下澄恋さんの感想を紹介いたします。

 

早川さん:山縣先生の講義を受けて、子育て等に関して相談する場があることを“知ってもらう”方法を考えることが必要だと感じました。児童虐待が発生する構造には、発生抑制要因と虐待誘発要因があり、循環する予防が大切というお話を伺いました。相談のできる場があること、それを必要な方に知ってもらうことが必要です。相談の場は公的なものだけでなく、ネット相談等の気軽な場も含めて考えていく必要があり、地域の中にも様々な場があることが大切だと感じました。今回学んだ視点を持ち仕事にも取り組みたいと思います。

 

柿木さん: 山縣先生の講義では、人権と権利の違いから日本における子どもの権利擁護の曖昧さを知ることができました。日本は、子どもの権利条約に関して「子どもの人権」と解釈すべきところを「子どもの権利」としています。人権は当然持つべきものとして解釈するものですが、権利は時に制限され得るものです。
その解釈が現状の法制度や実践においても影響していると考えられました。今後、本日学んだ視点をもとに研究を進めていきたいです。

 

矢野さん:権利と人権には違いがあるのか等、これまで考えたことがなかったことを考えてみる機会にもなりました。
違いは?特性は?等と考えることを習慣にすることで、理解を深め、実践にて活かしていくことができたらと思います。

 

山下さん:虐待の発生を防止するためには、地域資源の開発活用が大切であるとのお話がありました。CSWとして、虐待の発生予防や再発予防に向け地域住民や関係機関の方々との連携に努めることが必要であると思いました。
「虐待の連鎖」という言葉を用いることが、虐待環境下で育った者にとっては、生きづらさにつながっているといった部分が印象に残りました。自分自身の一言から人は何を感じるかを考えることが大切であると改めて考えました。



 山縣先生のご講義は、社会的養護の現場にいる受講生、コミュニティソーシャルワーカーとして働いている受講生、すべての受講生にとって、考える力の大切さ、研究や仕事に大変学び多い講義になりました。山縣先生、誠にありがとうございました。感謝申し上げます。

 

(文責 金 潔)

GO TOP