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仏教学コース

【浄土学研究室だより】浄宗会 別時念仏会・念仏大行進

6月18日(土)・19日(日)、大本山増上寺さまにおきまして、大正大学浄土宗仏教青年会の行事である、別時念仏会・念仏大行進を開催いたしました。
この行事は主に「浄土宗法儀研究Ⅰ・Ⅲ」を受講している学生が参加します。
当日は63名の受講生が参加いたしました!
 
 
さて、突然「別時念仏会」「念仏大行進」といわれても何のことやらだとおもいますので、少々、説明いたしますと、
 
まず「念仏大行進」は簡単です。お念仏をお唱えしながら練り歩くもので、とくに仏教用語ということでもなく、行事の名称であります。
 
次に「別時念仏会(べつじねんぶつえ)」ですが、
浄土宗ではお念仏をお唱えする行儀に三種類を定めています。
(1)尋常行儀…常日頃のお念仏。時や場所を定めず、ありのままでお念仏する。
(2)別時行儀…時間・場所を定めて、身を清めてお念仏をする。
(3)臨終行儀…臨終(亡くなるとき)にお念仏をお唱えする。
※『浄土宗大辞典』「三種行儀」の項を参照
浄土宗では(1)の常日頃お唱えするお念仏を大切にしていますが、今回は(2)の別時行儀にあたり、時間・場所を定めてお勤めをいたしました(-人-)ナムナム。
浄土宗の宗祖・法然上人も「ときどき別時の念仏を行って、心と身体を励まし、ととのえ、(お念仏の生活を)進めていきなさい」(『七箇条起請文』より)ともおっしゃっていますので、気持ちを新たにする意味でもお勤めするのです。
 
 
 
18日、12:30に集合した学生は衣に着替え、増上寺本堂三階の道場にて実践の講義を受けます。初級(主に1年生)は初めて、上級(主に2年生)は2回目になりますがまだ威儀作法に慣れていませんので復習の意味も込めて、先生方にご指導いただきます。
 
非時食(ひじじき=夕食のこと)のあと、いよいよ別時念仏会です。
全員の席に木魚が並べられ、約2時間ひたすらお念仏をお勤めいたします。
 
 
 
お導師は授業をご担当されている渡辺俊雄先生です。
別時③.JPG
別時②.JPG
 別時①.JPG
 
 
お念仏・礼拝の最中は堂内を真っ暗にし、阿弥陀さまのみに集中いたします。
 
 
が!
 
きっと学生の頭の中には「足が痛い」、「疲れた」、「暑い」、「まだ終わんないかなぁ」といった雑念だらけなことでしょう 
まだまだ修行が足りませんね(^_^;)
 
 
 
さて明けて翌日、朝の時点ではどよよ~んと曇り空。空気も少し湿っぽく、雨の確率も30%ほど。
歩いている途中で雨に降られたら大変なことになってしまいます。
 
さあどうする?やるの?やらないの?どっちなの!?
 増上寺大殿.JPG
職員と浄宗会の会長さんで相談・検討した結果、大行進を決行することにしました!
※ちなみに雨天の場合は写経会になります。
 
 
小食(しょうじき=朝食のこと)を済ませたあと、学生たちは托鉢装束(たくはつしょうぞく)へと着替えます。
 
普段、着ている白衣・黒衣を頭からかぶって、膝下まで裾(すそ)が上がった状態になるように着ます。
着替え.JPG
 
 
そのあと手甲・脚絆(手足につけるカバーのようなもの)を着け、輪袈裟を着けて出来上がり。
↓↓↓こんな感じです↓↓↓
 托鉢装束.JPG
                                                             モデル:初級学生 H口くん 
 
そして履きなれないわらじを履きます。
なかなか皆さん苦戦している模様。
 わらじ履き.JPG
 
さて、歩き始める前に大殿にて出発式をお勤めし、 出発式.JPG
 
 大殿前で記念撮影。
記念写真.JPG
 
笠を着けていよいよ出発です。
 笠装着.JPG
 
コースは増上寺を出発し、第一京浜を新橋方面へ。新橋から日比谷通りを曲がり増上寺へと戻ってきます。
出発.JPG
 
 
基本は一列で進み、横断歩道の手前ではすぐに渡れるように詰めて整列します。
 大行進①.JPG大行進②.JPG
 大行進③.JPG大行進⑤.JPG
交通係は役員の学生と院生です。
 
 
併せて募金も行いました(※募金箱の貼紙に「歳末助け合い」とあるのはご愛嬌)
 大行進④.JPG
 
大行進⑥.JPG 大行進⑦.JPG
 
 
無事に事故も無く、増上寺まで帰ってこられました。
 到着①.JPG
到着②.JPG
疲れたためか、ちょっと合掌が下がり気味ですね(-_-;)
 到着③.JPG
 
最後、閉講式で浄土宗学監の小澤先生よりお言葉をいただき終了です。
閉講式①.JPG閉講式②.JPG
 
お疲れ様でした(^o^)
終了.JPG
 
 
 
朝、あやぶばれ、危ぶまれた天候も歩いているうちによくなり、歩いている学生はだいぶ暑かったとおもいます(^_^;)
 
学生にとって、お坊さんの格好をしてお念仏を唱えながら街中を練り歩くということはそうそう無いありません。
沿道にいらっしゃった一般の方々の視線を学生たちがどのように感じたか?
将来、僧侶となったときにどのような立ち居振る舞いをするべきか、そんなことが感じ取れたのではないかとおもいます。
 
 
浄土学副手 沼倉雄人 記
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