学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

仏教文化研究D(仏像修復)の授業風景

お寺へお参りに行くと、山門の両脇に大きな目を見開いた怖い顔のお像が迎えてくれます。(すべてのお寺にあるものではありません)

これは金剛力士といい、仏教の守護神としての役割をもつ天部の仏様です。お寺を守る役割があり、「仁王」といわれます。有名なところでは法隆寺、東大寺、興福寺などかあります。

この仁王像は堂の外に立っていることから、風雨に晒されてしまい、良い状態で残っているものはなかなかないのです。壊れたら直せばよいのですが、仏像を修復するというのは、簡単なことではありません。そのお像にあった修理方法をしなくてはならず、そのための専門の知識と技術を身に着けた人に頼らなくてはなりません。

ところが仏教学科の授業にその修復を体験する授業、仏教文化研究Dがあります。

この授業は、非常勤講師の櫻庭裕介先生が担当されています。CIMG0892.JPG

卒業生のお寺を訪ねた先生が、この山門に立つ破損した仁王様をみて、古くて良いものと判断され、是非授業で修復をしたいと思われたそうです。大正大学仏教学科ならではの授業になると、先生は考えました。

このお寺は、茨城県桜川市にある天台宗の椎尾山薬王院、昨年度仏教学科の大学院修士課程を卒業した竹林俊充さんのお寺です。竹林さんは天台学に所属していましたが、学部の頃より、仏像に興味を持って、櫻庭先生の授業を受講し続けました。今では履修生として、また先生のアシスタントとして毎週授業のサポートをしてくれています。

お寺の了承を得て、昨年度の秋学期の授業からこの仁王様の修復に取り掛かりました。

ヒノキの一木造で、鎌倉時代の後期、作者は慶派(平安時代におこった仏師の系統、運慶や快慶などを輩出しました)の仏師ではないかと考えられます。

かなり傷んでいましたが、先生の指導と先輩方のサポートで着実に形があきらかになってきました。

特殊な樹脂を使い、破損部分を補っていきます。

仁王像の特徴は筋肉隆々の体躯、筋肉の付き方を自分の身体で確かめている運動部の学生もいました。

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仏像に触れる機会は初めての人ばかり、かなり驚異を感じたと思いますが、先生の大らかで楽しい授業は、皆を団結させいきいきと修復に取り組んでいます。

ようやく頭部をのせる状態になりました。

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秋学期には腕部をつけ、修理が終わりそうです。

このような授業をきっかけにして、仏教文化のあり方、仏教の信仰などについて考える学生が増えていくことと思います。 

 

                              仏教学科助手 池田そのみ