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仏教学科ブログ 智慧の話5 華道家辻井ミカ先生

仏教学科ブログ「智慧の話」(ちえのわ)にようこそ!

今回は、仏教文化コースの基礎ゼミナールⅡの授業に、ゲスト講師としてお迎えした華道家の辻井ミカ先生です。

辻井先生には春学期にも「いけばなで自然と命の大切さを学ぶ」という大変興味深い講義をして頂きました。その時の様子は6月19日にUPしたブログに掲載しております。そちらも合わせてご覧ください。

CIMG1434.JPGのサムネイル画像のサムネイル画像辻井ミカ先生は、京都大覚寺の嵯峨御流の家元でいらっしゃいます。

嵯峨御流には弘法大師の密教の教えが根本にあるということです。

さて今回は前回の授業から1歩踏み出し、なんと!自分でお花をいけることになりました。

お花の名前も知らない、お花に触れる機会のほとんどなかった学生が大多数、果たしてうまくいくのでしょうか?

荘厳華(仏前を荘厳する花として創案されたとのことです)を各自でいけることとなりました。

まずは講義から…

密教において宇宙をあらわすのは、地、水、火、風、空です。これを積み上げると五輪塔になります。この荘厳花は、そこに識という要素を取り入れ「六大」として構成されます。この六大の根源にあるのが陰陽、陰と陽が和合することで万物が生成し、花姿が誕生するとされます。

先生は、仏像の仁王様を引き合いに出し説明されました。仁王様の口の形の「阿吽・あうん」、つまり「あ」と口を開け息を出したら、「うん」と息をひくこと。「あ」が動であり、陽となる。「うん」が静であり、陰となる。そして一対として「阿吽の呼吸」となります。

この根本を理解できれば、ものの並べ方にも意味があることがわかるでしょうと教えて下さいました。

この荘厳花の構成となる六大の性質とは、

()→大地のようにしっかりとして動かず、すべてを受け止め、

     支える働き。

(すい)→水のように潤いのあること。生命を保持する働き。

()→炎のように燃え立つ性質で、その熱によって万物を育成し、

      一方では浄化する。

(ふう)→常に動いてやまず、風のように吹きなびき、

      万物の育成を助ける動き。

(くう)→無限の広がりの中で、障りも妨げもない融通無礙の状態。

(しき)→知識、判断、決断の働き。

このようになっているそうです。

それでは、先生のお手本をみながら、初めての嵯峨御流のいけばなに挑戦です。

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この授業の担当の先生である野口圭也先生も、この日は辻井先生の生徒として学生さんと並んでいけばなに挑戦しました。CIMG1491.JPG

一本のお花を挿すたびに細部にわたりご指導を頂きます。

思う様に枝を扱えなかったり、バランスがわるかったりと、大変苦労をしましたが、何とか出来上がりました。

家元自らが学生の手をとり、部屋をとびまわり教えていただくという、本当に贅沢な体験をいたしました。

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学生たちは、春学期に続き辻井先生の熱意のある授業に、先生の持たれる宇宙観、仏教観、自然への敬意の念を強く感じとっていたと思います。

そして仏教文化とは、現代にも脈々と生き、さらに自ら創りだすこともできることが実感できたかもしれません。

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                        仏教学科助手 池田そのみ

 

 

 

 

  

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