学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

鴨台祭の企画紹介 ①お砂踏み 

 こんにちは。仏教学科です!

 鴨台祭の当日もだんだんと近づいてまいりました。仏教学科が担当する数ある企画の中から今日は「お砂踏み」について紹介したいと思います!

 

 第3回鴨台祭におきまして、仏教学科では四国八十八ヶ所霊場のお砂を踏んでお参りする「お砂踏み」体験を実施します!

 

 そこで「お砂踏み」と、その大本である「四国遍路」のお話を少しだけ。

 「遍路」や「お遍路さん」などといった場合、一つにはこの「四国遍路」というものを指します。これは我が大正大学でも智山・豊山の二派を擁しております、日本真言宗の開祖・弘法大師空海の修行地を辿っていく巡礼行為、またはその巡礼者のことを指します。そして「四国八十八ヶ所」がその巡礼地です。チベットやインドにおけるカイラス山、イスラム教のメッカ、キリスト教のベツレヘムやエルサレムなどのように、大規模で主要な一ヶ所の聖地を目指すものに対し「四国遍路」は八十八ヶ所あるお寺を歴訪するものです。また、これらの八十八ヶ所は「札所」「霊場」などとも呼ばれ、内訳としては真言宗のお寺が多いですが天台宗や曹洞宗、臨済宗、時宗のお寺もあり、宗派の別なくお参りできます。

四国ー色付き3

★お四国と各道場の配当。



 空海といえば、今年開創1200年を迎えた高野山や、嵯峨天皇より賜ったとされる京都の東寺なども非常に有名ですが、そのお生まれは讃岐国、現在の香川県です。讃岐の札所には空海誕生の地である善通寺なども含まれます。これらの土地で、若き日の空海は修行に励んだとされます。有名な話では土佐・室戸岬にある御厨人窟で修行をし、そこからの眺めは空と海だけが広がっていたことから名を空海と称するようになった、といわれています。そのほかにも空海はこの洞窟に籠もり「あらゆる見聞きした経典等を憶持し、忘れないようになる」という虚空蔵菩薩求聞持法を修した、ともいわれます。

 


御厨人窟からの景色。真白く神秘的な写りになっていますがその向こうは空と海です。





★こちらが弘法大師誕生の地といわれる七十五番札所善通寺です。


 「四国遍路」とは、いわば巡礼の一形態であり、一般には徳島→高知→愛媛→香川の順で四県の各地にある名刹古刹を巡ります。もともとは空海がそうしたように厳しい修行向きの土地であったため、後世の行者も修行のために訪れたといわれています。そこに徐々に弘法大師信仰の意味合いなども生じていき、親族や祖先の供養のため、あるいは治病の祈り、自分探しの旅、観光・・・とさまざまな目的の下、遍路は行われてきました。

 江戸時代にもなると遍路者は増え、さまざまな記録が残されています。その当時やそれ以前ですと、無論自らの足で歩いておこなうものでしたが、今はバスや車、自転車などで廻ることもできます。

 

 また、金剛杖に白い衣、菅の笠をかぶり、手には念珠を執り、足元は草鞋を着けるというのがこの巡礼での伝統的な正装です。遍路はこのような装束も含め、擬死再生の旅と言われます。白装束を着け深く山に入り、擬似的な死へと向かって行き、少々過酷ともいえる巡礼を通して生まれ変わるという側面を持つ、などという解釈もあります。あるいは、かつてはそれほどまでに過酷で、しばしば命の危険さえある旅路であったとも言われます。



★難所で有名な十一番札所藤井寺~十二番札所焼山寺をつなぐ道。遍路ころがしと呼ばれるキツい坂道。

 





★このように修行中の姿をした空海像が各地で見られます。こちらは七十三番札所出釈迦寺の像。お遍路さんの伝統的な装束もまさにこういう感じです。


 「四国遍路」でも、とりわけ徒歩で廻る「歩き遍路」は、通しで廻りきると大変な功徳を得るとされます。しかしその道のりは決して平坦なものではなく、山道坂道を延々行かねばならず、なんといっても四国じゅうを遍歴するわけですから地域ごと、何日もかけて巡拝していきます。現実的な話でいえば、まとまった休暇が必要だったり、遠方に住んでいれば何回かに分けて四国へ行く交通費、宿泊費・・・歩く以外にもあれこれせねばなりません。巡礼には当然ながら費用もかかります。

 

 このように時間的・経済的・体力的・立地的な都合から「四国遍路」は容易ではなく、だからこそ、巡礼の功徳は計り知れません。しかしこういった諸々の都合で諦めてしまったり、手の届かないものと感じる人たちもいることでしょう。そんな中、「四国から遠く離れた地でも、八十八ヶ所を詣で、その功徳にあずかることができる」という意味合いをもって登場したのがこの「お砂踏み」です。
 この「お砂」とは四国八十八ヶ所の各寺の砂を集めたもので、だいたい小さくパックされています。あるいは装飾されたお砂袋などに入っており、これをお寺の本堂などに並べ、各寺のご本尊のお軸を掛け、一番目から八十八番目まで順に拝んでいきます。各札所の霊験あらたかなお砂を、別の地にいながら踏みしめて、本尊を礼拝することで四国を廻ったのと同じだけの功徳を得られる、これが「お砂踏み」の概要です。

 

 今回使わせていただくお軸はこのような感じです。ご本尊と、お寺の位置を示した地図、ご詠歌、御朱印などなど内容も盛りだくさんのお軸です。こちらは真言宗智山派のお寺・錫杖寺さまより拝借します。



★お砂踏み企画担当・3年生の腰塚くんと八十八番札所のお軸。


 

 なかなか時間のとれない方、体力に自信のない方もお参りいただけますし「お砂踏み」はお遍路の出張版といったところでしょうか。
 仏教学科では11月2日・3日の両日このお砂踏み体験を実施します!!
 場所は10号館の1階、普段は食堂としてにぎわっているスペースです。 

 通常、遍路を通しで巡礼すると最後に結願書という証書を頂戴するのですが、当日は大正大学仏教学科特製の散華を用意し、お参りくださった皆様に差し上げる予定です!お釈迦様の種子(象徴する梵字)であるバク[bhaḥ]の字をあしらった、淡い鶯色の散華です。

 普段は忙しくて興味はあるけど四国まではとても行けない、という方もこの機会にお参りいただければ、四国巡礼と同等の功徳を得ることができます。是非お越しください!
ほかにも仏教学科ならではの催しがたくさんありますのでぜひ来てください!

 

 

 最後に、四国のお写真はお遍路経験者(!!)でもある仏教学科の松村仁子さんのご厚意でお借りすることができました。ありがとうございます!!

 

 

 
文・イラスト:仏教学科副手 池田 友美