学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際教養コース

特別企画「学びの探索 教員版」第1回 倉西 憲一先生

公式Facebookページ開設を記念して、学科教員の研究の紹介や教員になった経緯などを紹介する企画です。
大学HPの教員紹介よりも一歩踏み込んだ内容となっております。

高校までには居なかった、専門分野において突出した知識や経験を持つ仏教学科の先生たちを余すことなく紹介します。

学びの探索 教員版 №1
※「学びの探索 教員版」では、学科教員の研究の紹介や教員になった経緯などをご紹介します。
第1回は国際教養コースの倉西 憲一先生です。

 

📜📜インドの文字から始まる研究の旅-サンスクリット語と密教の魅力-📜📜
📕文字への興味とインドの文字📕

私は小さい頃から文字に興味がありました。 特に、その形や役割についてです。平仮名、カタカナ、漢字だけでなく、アルファベットや、さらにはヒエログリフやハングルまで、さまざまな文字について調べたりしていました。中でも、悉曇文字(インドの文字・シッダマートリカー)を初めて見た時、その形の美しさに魅かれました。お寺のお墓に立っているお塔婆に書かれている文字です。その時、お寺の住職さんに、この文字について尋ねたところ、この文字はインドの文字で、サンスクリット語という言語とともに使われていることを教えていただきました。そこで、この文字だけでなく、サンスクリット語についても知りたいと思いました。中学生の頃でした。

 

📕インドの文字への興味と映画の影響📕

また、ちょうど同じ頃に、インドの文字に興味を持った出来事がありました。テレビ番組の映画ロードショーで「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」を見た時です。インドのお城の中の秘密の通路、その入り口に壁画と悉曇文字に似たインドの同系統の文字(デーヴァナーガリー文字)が記されており、それをジョーンズ博士が読み解くシーンです。こうした十代に経験したことをもとに、インドの文字、言語、文化への興味を膨らませていきました。

 

📕大学でのサンスクリット語の学びとインド密教への道📕

インドの文化といえば、我々日本人にとって、仏教が最も身近であるといえましょう。 仏教系大学の大正大学に入った私は、そこで、初めてサンスクリット語の授業を受けました。授業で習うことだけでなく、もっと多くのサンスクリット語の文献に触れたいと思い、神保町の古本屋で山積みになっていたインドの刊行物、サンスクリット語の書籍の中から、中身もわからず、無作為に1冊を選びだしました。授業で使っていた簡略な文法書と辞書を使い、最初の文章から読み始めましたが、最初の一文でつまずいてしまいます。そこで、サンスクリット語の授業を担当していた先生に、授業後、聞きに行きました。その何もわからずに購入した書物は、偶然にも、その先生の専門分野(インド密教)の文献でした。そして、その後、その先生と毎週、さまざまなこの分野に関連するサンスクリット語の文献を読み、サンスクリット語を少しずつ習得し、その面白さに魅了されていきました。思い返せば、この幸運で、偶然の出会いが、私をインド密教の研究者にしてくれたと言えるでしょう。

 

📕インド密教の学習と未解明の写本📕
インド密教を学ぶには、語学的には、サンスクリット語だけでなく、チベット語や漢文など多くの言語の読解力が必要になります。それは、密教文献が伝播した国々で、それぞれの言語で翻訳され、解釈されてきたからです。ある時期に、インドにおいて、仏教は衰退していきました。ただ、その周辺の時代に重要視されていた密教文献は、ネパールやチベットに伝えられました。インドには、ほとんど残っていないインド密教の第一次資料であるサンスクリット語で記された写本が、ネパールやチベットに数多く現存しております。まだまだ、誰にも研究されずに眠っている写本たちが、世に出るのを待っているのです。それらを一つずつ紐解いて、新たな発見をすることや、写本が写された時代の息吹を感じることは、この研究分野の末席に連なるものにとって、最大の幸せなのです。

倉西先生の経歴やご専門についてもっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
https://researchmap.jp/K_Kuranishi_1974

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