学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際教養コース

特別企画「学びの探索 教員版」第6回 野村島弘美先生

公式Facebookページ開設を記念して、学科教員の研究の紹介や教員になった経緯などを紹介する企画です。
大学HPの教員紹介よりも一歩踏み込んだ内容となっております。
高校までには居なかった、専門分野において突出した知識や経験を持つ仏教学科の先生たちを余すことなく紹介します。


学びの探索 教員版 №6
※「学びの探索 教員版」では、学科教員の研究の紹介や教員になった経緯などをご紹介します。
第6回は国際教養コースの野村島弘美先生です。


📜📜ニューヨークで見つけた原風景-美術と信仰を研究対象として- 📜📜
📕広い世界への憧れ📕
浄土宗の僧侶を父に持つ私は、浄土宗寺院で生まれ育ちました。しかしながら、小さな頃から海外への関心が強く、アメリカやヨーロッパの映画やファションにとても憧れていました。映像の中で、表情豊かな欧米人が流暢に話す英語、その世界観に魅了されていました。「いつか広い世界に出て、英語を流暢に話せるようになりたい」、子供心にそう願ったことを今でもはっきりと覚えています。海外に親戚がいるわけではありませんでしたので、進学後、研修旅行として18歳で初めて憧れの海外に行くことができました。19歳の時、給付型奨学金を得て、デンマークの首都コペンハーゲンに3週間ほど滞在することができました。これらの短期の海外滞在が、その後の私の人生を大きく変える契機となります。


📕決意と共にアメリカ生活をスタート📕
2001年9月11日、アメリカのニューヨークで同時多発テロ事件が勃発します。実をいうと、その時私は渡米準備の真っ最中でした。ニューヨーク郊外のカレッジでの長期留学を計画していたのです。今思い返すと、よく留学を中止、または延期しなかったと思います。子供の頃からの憧れの海外生活、当時の私に行かないという選択肢はありませんでした。2002年9月17日、同時多発テロからちょうど1年後に、単身でニューヨークに旅立ちました。


📕語学、アートとニューヨークでの研鑽の日々📕
最初に学んだのはメリーマウントカレッジ、約1年間、英語を集中的に学びました。日中は授業を受け、週に2、3度列車に乗ってマンハッタンへ行き、学んだばかりの語彙や文法を現地のネイティブ相手に活用しました。留学を開始してから3か月後に英語で夢を見始め、段々と英語力が身についていくのを実感しました。1年の語学留学を経て、私の転機が訪れます。それはマンハッタンに引っ越し、美術大学の夏季講習を受講したことです。この講習を機に、基礎からアートを学ぶことを決意します。アートの本場ニューヨークで、私は油絵を専攻しました。現代アメリカ具象画の巨匠たちに師事し、朝9時から夜9時までデッサンや油絵を学びました。アメリカでは自分の言葉で意見をしっかり主張することを求められます。アートの現場でも同様に、単に描く技術を学ぶだけでなく、コンセプトや技法など具体的に説明する力が要求されます。この経験を経て、私の語学力も格段に飛躍しました。


📕メトロポリタン美術館勤務とアーティスト活動📕
アメリカ滞在8年目を迎え、次の転機が訪れます。それは、世界3大美術館のひとつといわれるメトロポリタン美術館でインターンとして勤務する機会を得たことです。メトロポリタン美術館での所属は木造美術品修復課でした。ニューヨークのマンハッタンに位置する美術館で、世界中の専門家たちと一緒に仕事をする機会を得ました。同じ時期、アーティストとしてニューヨークで作品を発表するようになりました。描く作品には、私が幼い頃から原風景として見てきた「信仰」がごく自然に表れるようになりました。人や動物や草花をモチーフに描きながらも、作品には潜在的に「祈り」が含まれるようになったと感じたのです。10年の海外生活を経て、2012年に完全帰国、2015年に大正大学仏教学科の専任教員として着任してからも「美術と信仰の関係性」が私の研究テーマとなっています。


📕今後の展望📕
仏教学科では国際教養コースの担当教員として勤務しています。私自身も海外生活の中で求められた「日本を伝える力」、それを叶える語学力や教養を養うことができるコースです。これからの国際社会で真の国際人として活躍する上で、自国を伝える力が必要になるでしょう。アーティストとして国内外で発表を続けている経験を踏まえ、その重要性を学生たちに伝えていきたいと考えています。
野村島先生は、2023年11月6日(月)-11月11日(土) 銀座・うしお画廊にて個展を開催される予定です。ぜひご来場ください。
野村島先生の経歴やご専門についてもっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください

野村島先生の経歴やご専門についてもっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
https://researchmap.jp/hiromi_nomurajima


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