学部・大学院FACULTY TAISHO
文化財・考古学コース
8/23オープンキャンパス 学び場体験「石器をつくろう!」の報告
8月23日(土)のオープンキャンパスでは、模擬授業では経験できない実践的な講義や実習を行う「学び場体験」が行われました。
文化財・考古学コースでは「石器をつくろう!」と題して、「石器づくり体験」を行いました。縄文時代の人々の生活を支えた狩猟や、主要な狩猟具である弓矢についての説明の後、黒曜石の剥片とシカの角をもちいて、当時と同じ方法で、石鏃(やじり)の製作を体験しました。
今回の講師は考古学、特に旧石器から縄文時代が専門の御堂島(みどうしま)正先生です。
弓矢の複製品
縄文時代の弓矢をもとに複製したものです。
弓は、カヤという木でつくり、桜の樹皮を巻いてあります。矢は、細いタケをU字状にけずり、そこにやじりを挟んで樹脂で固定したものです。
黒曜石は、天然のガラスです。割ると鋭い刃ができ、縄文時代にはやじりの材料としてよく使われました。左の箱の中にある薄い剥片からやじりをつくります。
皆熱心に作業しています。
シカの角の先端を黒曜石の剥片に押しあてて、少しずつ割っていきます。
けがをしないよう、手に革をつけて作業しています。
先生の指導にも熱が入ります。
やじりの完成!
硬くて割れないところがあったり、途中で折れてしまったり、苦労しましたが、全員完成することができました。
縄文時代のほとんどの人たちは、やじりをつくることができたでしょう。しかし、そのつくり方はいつしか忘れられて、今つくろうと思うと、意外に難しく上手くいかないものです。体験してみると、その難しさが分かり、逆に自分の手を使って行う作業が楽しくも感じます。
大学の授業では、こうした製作実験や使用実験などを「体験する」ことから、もう一歩進んで、実験をもとにして石器や土器などの遺物を観察・研究する視点を学んでいきます。
古文書などの文献ではなく、仏像・美術工芸品・遺跡・遺物といったモノを中心に歴史や文化を探求していくのが文化財・考古学コースの大きな特徴です。