学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

講義の紹介② 考古学概説

 文化財・考古学コースでは、美術史・工芸史の分野では、仏像彫刻や仏教工芸品の知識を学べる講義を、考古学の分野では遺跡や、そこからの出土品について理解を深める講義を開講しています。
 今回はそのなかでも「考古学概説」の授業のようすを御堂島正先生にご紹介いただきます!

 *―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――*

 考古学概説の講義は、主に1年生を対象として秋学期に開講しています。週2回、30回の授業です。文化財・考古学コースのほか、日本史コースや東洋史コースの学生も受講しており、毎年50~80人程度が受講します。

             講義の様子

 30回の講義の内容は、前半と後半に大きく分かれます。
 前半には、考古学とはどのような学問か、考古資料の形成過程、発掘調査の手順、埋蔵文化財保護の制度、土器の型式編年、自然科学的な年代測定法、関連科学分野の分析法など考古学全般に関わる事項について学びます。
 後半には、人類の誕生と進化から始まり、日本列島に人類が到達して以後の旧石器時代から近代まで、時代をおって考古学から見た歴史を学びます。
 考古学は物質的資料を扱う学問なので、遺跡や遺構・遺物等がどのようなものかわからないとなかなか理解できないものです。そこで各回とも多くの画像を示しながら講義を行います。またときには本物の土器や石器などを教室に持ち込み、手にとって詳しく観察したり、質感を感じたりして理解が深められるようにしています。

            縄文土器の観察

 講義の内容が多岐にわたるため、おおよそ全体の1/3が終わるごとに、それまでに学んだ内容に関する質問などのアンケートをとります。そして、それぞれ1回分の講義をあてて、質問等に答えながら解説しています。すると、講義内容以上に踏み込んだ質問や思ってもみなかったような質問もあり、受講者全員の理解を深めるのに役立っています。


                                       
神奈川県立歴史博物館「かながわの遺跡展 縄文の海 縄文の森」の見学
                                       
 また、学外授業として、本年度は神奈川県立歴史博物館で開催された「かながわの遺跡展 縄文の海 縄文の森」を見学しました。貝塚や低湿地の遺跡から発見された骨角器や木製品などの有機質遺物が多数展示されており、通常、台地上の遺跡では残らない豊かな縄文人の生活の一端を知ることができました。


                  エントランスで企画担当者の説明を受けました。


 特別展示室の入場口 この後、展示品について担当者から解説していただきました
                                       
 このように座学だけではなく、実物や画像を用いたり、博物館の展示見学をおこない、最新の考古学の成果が理解できる講義になるよう努めています。(記 御堂島正)

GO TOP