学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

卒業生の活躍①-群馬県東吾妻町教育委員会 吉田智哉さん-


 今回と2回にわたって、文化財関係の仕事に就いている卒業生の先輩をご紹介いたします。
 第1回目は吉田智哉さんです。吉田さんは現在、群馬県東吾妻町教育委員会(教育課文化財保護係)にお勤めです。考古学がご専門ですが、それ以外の文化財や文化財行政などに関わるお仕事で幅広く活躍しています。それでは吉田さんお願いします!

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 私は1999年に大正大学、当時は史学科と呼ばれていた学科に入学しました。考古学を学ぼうと思い、最初は縄文土器や竪穴住居を勉強していましたが、夏休みに初めて鎌倉市で発掘調査に参加し、大量のかわらけ(土器)や中国、国産の陶磁器が出土するのを目の当たりにしてからは、中世考古学の魅力に取りつかれ、以後それを専門に学んでいます。

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 大学時代は授業はもちろん、学外でもどれだけ考古学にふれられるかということに力を置き、休みを利用しては発掘現場に出て、土日は研究会や博物館の企画展へ顔を出して、常に最新の情報を入れ、経験を積むことに必死だった記憶があります。また学内でも考古学研究会のサークルに参加したことで、たくさんの先輩方と交流し、仲間も幅広く増えました。とくに学外での石造物分布調査を経験させてもらったことは、今の私にとって欠かせない貴重な経験でした。

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 現在は東吾妻町の文化財保護担当として、遺跡の発掘調査に従事するとともに、史跡・名勝・天然記念物や民俗芸能、有形・無形文化財と、文化財と名のつくものを幅広く取り扱っています。その中でも大きな仕事の一つが、大河ドラマ『真田丸』でも取り上げられた真田氏の中世城郭・岩櫃城跡(いわびつじょうあと)の国指定史跡化を目指した総合調査です。現在、発掘調査や文献史料調査などを進めているところです。



岩櫃城跡の航空写真(中央の山岳地帯)


岩櫃城跡本丸下の堀



 東吾妻町に就職してから6年間たちました。今思うと大正大学生の頃、考古学に限らず、文献史料、石造物、はたまたお祭りや巨大な樹木まで、自分の興味をもったものは進んで実物を見るように努めてきた経験が今の仕事に生きていると感じます。学生の皆さんには、授業での学びも大事なのはもちろんですが、ぜひ自分から進んで多くのモノ、実物を見て、感じて、体験してほしいと思います。考古学を学びたいと思っている人たちであれば発掘調査現場での作業、博物館での企画展等を通して、考古学を五感で経験していくことが必要不可欠だと思います。

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 考古学、文化財は自分から歩み寄ることが大切です。受け身ではなく積極的に。そしてぜひこの学問を好きになって下さい。それが一番大切なことだと思っています。

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 吉田さん、ありがとうございました!
 自分の将来、未来は自分がやってきたものの上にしか存在できないということがよくわかりました。みなさんは、限られた大学生活のなかでなにができるか考えることも大事ですが、実際に行動に移すことが一番大切なことと思います。これから考古学、美術史を学ぶ学生さん、そして高校生のみなさんも吉田さんのお話をもう一度読み返してみてください!

*次回の「卒業生の活躍」の連載は5月末を予定しています。

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