学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

文化財・考古学コース

見学旅行の報告-仏教工芸史-

 仏教工芸品を学んでいる加島先生の専門演習受講生は、毎年、奈良国立博物館の『正倉院展』にあわせて奈良方面へ見学旅行に行きます。
 この秋奈良、飛鳥、斑鳩の社寺や博物館などに行きました。
 
(1日目)
 春日大社国宝館では平安時代のさまざまな御神宝を見学し、東大寺では重要文化財に指定されている法華堂経庫などの建築や東大寺ミュージアムで東大寺鎮壇具をはじめ奈良時代の工芸品を見学しました。現地では受講生が事前に調べたことを発表しました。

東大寺法華堂経庫で、正倉院と同じ奈良時代の
校倉造りのようすをまぢかで見学しました。

 奈良国立博物館の『正倉院展』で、聖武天皇ゆかりの品々を見学しました。今年は漆胡瓶(しっこへい)というペルシア風の水差しが出品されており、鳥や鹿、草花などの文様までじっくり見学することができました。

(2日目)
 本薬師寺址、紀寺址などの藤原京にあった寺院の見学を終えて、飛鳥に向かいました。飛鳥寺ではご本尊釈迦如来坐像の写真を撮ることが可能で、制作当初の部分が残っていると考えられている顔や右手の写真を撮りました。
 そのあと飛鳥資料館、大官大寺址、石舞台古墳、橘寺、亀石、天武・持統陵、猿石などをまわり、夜には宿泊先で見学についての反省会をおこないました。


 

飛鳥の大官大寺の塔址に立ち、当時のお寺がどのように建っていたのか、
お堂の位置関係などを肌で感じることができました。

夜には宿泊先でその日の現地見学についてミーティングをおこない、
翌日の見学に備えます。

(3日目)
 斑鳩の法隆寺、中宮寺を見学したのち、法輪寺、法起寺、中宮寺跡へ行きました。法隆寺には、飛鳥時代の玉虫厨子や白鳳時代につくられた光明皇后の母橘夫人の念持仏とそれを収める厨子など工芸史で有名な宝物がたくさんあります。

法隆寺金堂前にある江戸時代の5代将軍綱吉の母、桂昌院が
奉納した銅製の灯籠をみんなで囲んで見学しました。

 今回の見学旅行を通して、作品をよく見ることの大切さを再認識できたかと思います。卒業論文の執筆のテーマは見つかったでしょうか?これからの研究が楽しみです。

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