学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

アートからカルチュラルスタディーズ①

小林史子先生からのメッセージです。

小林史子先生はカルチュラルスタディーズコースの「ワークショップ(異文化)Ⅰ・Ⅱ」を担当してくださっている新進気鋭のアーティストです。日本国内にかぎらず、海外でも活躍され、いわば「クール・ジャパン」の力強い発信者です。

現代文化を研究するとき、「アート」はとても重要な要素です。アートにかかわるイベントもたくさん開催されています。ビジュアル的な効果を抜きに現代文化を論ずることは不可能である、といっても過言ではありません。

専門家の目から、あちらこちらで開かれているアートイベントについての解説を、とお願いしたところ、さっそく瀬戸内国際芸術祭についてメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

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みなさん、アートというとどんな印象がありますか?ちょっと、とっつきにくかったり、もしかしたら、日常的には全く馴染みが無いと言う人もいるかもしれません。もしかしたら中には、最低月一回は何かしら美術館やギャラリー、アートイベントなんかに参加してしまうアートフリークな私のような人もいるかもしれません。ひとそれぞれの「アート度」は、私にははかりかねますが、とりあえず私は美術全般が大大好きです。私がどれくらい美術が好きかっていうと……、それを語り出すとちょっと長くなってしまうので、今日はとりあえず、今月行ってきた瀬戸内国際芸術祭について少しだけお話しさせて下さい。

 

瀬戸内国際芸術祭とは、その名の通り、瀬戸内海の島々を会場にした国際的な芸術のお祭りのことです。アート作品というと、美術館やギャラリーに白い壁に囲まれて絵画や彫刻が設置してあるところをなんとなく想像する人もいるかと思いますが、この瀬戸内国際芸術祭は一味も二味も違って、まず作品が普通の民家やそこらへんの畑、神社、はたまた海!なんかに散らばっていて、その散らばった作品たちを観客はウォークラリーのように地図や飲み物(必須)を片手にバスやフェリーや自転車やヒッチハイク(?)などで移動し、宝探しさながら見に行くのです。もちろん暑かったら海に飛び込んでもいいんです。

 

ほら、ちょっとおもしろそうじゃないですか?宝たちの中には蓋を開けたら「え?」っていう感じのものもありますが、その一期一会的な出会いもまたアートの醍醐味ってものです。なぜなら、ものの感じ方や捉え方は、そのときの自分のコンディションや環境、思考体系、それらが絶妙なバランスでもって影響し合っているからです。

誰かが「ピカソは良い」って言っていても、あなたは「ピカソが大嫌い!!」と叫んで良いんです。でも、なんで大嫌いなのか少し立ち止まって考えてみましょう。目の前に広がっているモノ・コトは、それぞれの内側にある世界の反映のようなものです。その内側が豊かだったら、それだけ外の世界は豊かに見え、内側に色があれば、外の世界にも彩りが増すはずです。

 

私の授業では、答えを用意していません。それぞれの、彩りを発見するお手伝いが少しだけできればと、考えています。…けっきょく瀬戸内国際芸術祭の話しが出来ませんでした(笑)。興味のある方はこちらから→http://setouchi-artfest.jp/

 

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日常のなかに溶け込むアートについて、折に触れ、小林史子先生にコメントをいただきたいと思っています。

次回を楽しみにしてください。 小林史子先生のホームページはこちら⇒http://www1.tcn-catv.ne.jp/fumikokobayashi/

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