学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

6月21日、カルスタの授業体験のご案内

受験生のみなさんはそろそろ具体的に志望校を考えはじめるころでしょうか。高校1年生、2年生も、どのような進路選択があるのか、お考えのことでしょう。

6月21日は大正大学の授業体験デー。大学.jpgのサムネール画像

カルチュラルスタディーズコースは次のような授業を用意して、受験生の来訪をお待ちしています。

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アジアの人形芝居ポテヒ:芸能のポリティクス 

中国泉州に生まれた人形劇ポテヒは、人びとの移動とともに、海を渡り、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシアへともたらされる。台湾、マレー半島では、台湾で流行した歌芝居の影響を受け、その上演スタイルを変えていくが、インドネシアでは政変とともに、華人とその文化が迫害を受け、文化交流の道が閉ざされる。その結果インドネシアでは「インドネシア化」することによってポテヒは生き残る。歴史、社会、政治と芸能の関係を人形芝居ポテヒから考えてみよう。 

『ワンピース』と錬金術 

サブカルチャーはさまざまな文化的伝統を自由に組み合わせるメディアである。人気の高い『ワンピース』にもさまざまな興味深い文化的な要素が組み込まれている。今回は『ワンピース』を錬金術という視点から考えてみよう。物語は主人公やその仲間を「正義」の側に立たせて成り立つが、海賊を描く物語における「正義」や「道徳」はどのようなものとしてあるのか、エンターテイメントのなかでしばしばおこる「異端者」の「ヒーロー化」について考察し、異端者と正義の接点に錬金術的な科学があることを議論したい。 

キツネが絵本を読むと…:絵本のメタフィクション 

絵本には知的な遊びの要素があふれている。日本を代表する絵本作家、安野光雅の『きつねがひろったイソップものがたり』は子どもも大人も楽しめるストーリーで、人間の文字が読めない親ギツネは子ギツネに、イソップ物語の挿絵を読み解いて聞かせる。文字を無視して「絵」を読むという、通常の感覚からするとジョークのような構造は、文と絵、ひいては日本と西洋という文化的な上部構造と下部構造を逆転させ、アイロニーを生む。安野光雅の絵本による絵本の視覚の哲学を分析し、文字と絵の関係を考えてみよう。 

『千と千尋の神隠し』における経験の意味 

『千と千尋の神隠し』は分析の方向性によっていくつもの解釈を可能にし、卒業研究の題材として毎年かならずだれかが取り上げるほど学生の関心の高い作品である。今回は千尋の労働経験という視点から、複数の読解の可能性を考えてみよう。異世界で千尋は19世紀以来児童文学に定番の「みなしご」になる。『千と千尋の神隠し』の新しさと伝統を確認し、千尋が経験したことの意味を探ってみよう。もとになったと言われる『霧のむこうのふしぎな町』の物語構造とも比較しながら、『千と千尋の神隠し』を読み解いてみよう。 

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短い時間ですが、普段のカルチュラルスタディーズコースの授業がどのようにおこなわれているのか、ぜひ体験してください。通常の大学の授業は1回が90分、それを15回重ねて一つのテーマが完成します。

カルスタの授業が扱うのは身近な題材、それをさまざまな文化分析の方法と視点で「解体=deconstruct」していきます。

体験授業を通して、カルチュラルスタディーズコースに興味をもっていただけましたら、ぜひ7月、8月のオープンキャンパスのコース紹介の時間にもご参加ください。

受験生の方たちが、学ぶ意欲をいっそうかきたてる授業に出会えることを願っています。

伊藤淑子

 

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