学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

1年生が取り組んだ「はじめての論文集」

春学期が終わり、学生たちは夏休みを思いっきり楽しんでいることと思います。授業期間中にはできないことに、たくさん挑戦してほしいと願っています。あさがお.jpg

夏休みにはいってすぐの日曜日、7月27日はオープンキャンパスでした。大勢の受験生やご父兄の方たちにご来場いただき、いつもとはちがう活気に、大学にあふれました。学生スタッフとして受験生を迎える在学生の活躍もすばらしく、自分たちの大学に対する誇りが伝わってきました。

カルチュラルスタディーズコースのコース説明と模擬授業にも、たくさんの受験生がきてくださいました。短い時間なのに、たくさんのことをお伝えしたくて、急ぎ足の説明になってしまいましたが、熱心に聞いていただきました。

その会場でもご披露しましたが、今年の4月に入学した1年生たちが、はじめて大学で取り組んだ文化研究を論文集に編集しました。題して、そのまま、「はじめての論文集」です。「わたしたちが着るもの、聞くもの、見るもの、食べるもの。わたしたちが他人との関係のなかでいかにして自分自身を見るか。料理や買物などの日常活動の機能。これらすべてがカルチュラル・スタディーズの関心事なのだ」とグレアム・ターナーが述べているとおり、カルチュラルスタディーズコースではあらゆることを文化研究の対象にします。

だからテーマを選ぶのは一苦労です。テーマのおもしろさ=3分の1、論理性=3分の1、文章力=3分の1、というのが論文ですが、入学早々の1年生たちはテーマを選ぶという最初の関門に挑戦しました。そのテーマを論考に発展させるために、さらに焦点をしぼり、論文のルールを学びながら「はじめての文化研究の論文」を書き上げました。うまくいったと満足している学生も、違うテーマを選べばよかったと思っている学生もいることと思います。何事も経験の積み重ねが大切、成功もしくじりも、これからの大きな力になります。テーマを設定することのむずかしさは、研究に携わってきた教員が何よりもよく知っています。

ということで、1年生たちの論文のタイトルだけ、ここで紹介することにします。1年生は二つのゼミに分かれていますが、そのうちの一つのゼミの学生たちの論文です。

●●●

『もののけ姫』における生命の捉え方               

名前と漢字:「キラキラネーム」の文化的考察                    

『スタンド・バイ・ミー』に込められたメッセージ          

怖さの魅力という矛盾について                          

『ダークソウル』はなぜ海外で評価されるのか          

2001年宇宙の旅』という問題提起                     

『千と千尋の神隠し』カオナシの解釈と労働の意味         

原爆ドームが私たちに残したもの 

脅威としてのゴジラ、ヒーローとしてのゴジラ           

若者とファッション                       

豆腐の比較文化                             

ディズニープリンセスについて                  

プリキュアのピンクにみるリーダー性        

なぜガンダムエクシアは刀剣で武力介入を行うのか

『Mr.インクレディブル』にみるヒーローの概念

「機械」というキャラクター性 

『猫の恩返し』と姉妹作『耳をすませば』の関係性について 

水木しげるの描く日本の妖怪からみる日本人の畏怖するもの 

学生服の意味と役割     

ツインテール―歴史と文化を結んで―  

『美少女戦士セーラームーン』のダイナミズムと影響力  

ファッションと時代                 

日本とドイツの「白雪姫」の比較     

オスカルから分かる女性の職と心           

ガンダムと現代社会との関係性           

現代の日本のハンバーガーの価値観

●●●  

手前みそで恐縮ですが、第一歩としての文化研究、はじめて手がけた学術的な論文としては、なかなかの出来栄えです。夏休みにしっかり充電して、リフレッシュした1年生が秋学期にどのような進展をみせてくれるか、いまから楽しみです。

伊藤淑子    

GO TOP