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国際文化コース

カルスタ漫画・アニメ・ゲーム研究会「トワイライト」の秋学期活動報告ーその2

授業後に学生たちが自由な議論を重ねてきた「トワイライト」の報告です。活動をリードしてきた学生たちが、活動を振り返り、順番に報告していきます。その第二弾です。今回はM.S.さん、どのような作品を素材に、どのような問題提起をしたら議論がはずむか、じっくり考えて計画した研究会になりました。?.jpg

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 担当したのは2回ですが、その中で目指したのは、「議論の発端を見つける目を養う」ということでした。そのため取り上げた作品の議論の方向性をあらかじめ明確に決め、最初の議論を誘導しやすくしました。研究会のファシリテータ―として、テーマを簡単なものにすることによって、参加者から新しい展開を導き出したいと考えたのです。

 最初に取り上げた作品は『びじゅチューン』というNHK教育テレビの子供向けの美術解説番組でした。奇妙なアニメ、音楽と共に、絵画などの美術に関する情報を伝える番組です。予想通り、カルスタのトワイライト組からはきわめて不評だったのが印象に残っています。参加メンバーは「番組内容として美術の説明がしっかりなされていない」とか「変なイメージが付いてしまう」と口ぐちに言いました。まさに思惑通りでした。

 議論は終始、番組に対する批判へと向かいましたが、後に「あの曲がたまに頭の中で流れてるんだよ」とメンバーが言ってきたとき、議論は成功したと感じました。つまり、ある意味で珍妙な形ではあるけれども、情報は知識として友人の頭に沈着し、そのことによって情報はかならずしも好ましい情報として人に伝えられる必要ないということを、たしかな証拠として身をもって体験したわけですから。

 次に取り上げたのは『空飛ぶモンティ・パイソン』というコメディ番組でした。かつてイギリスの民放で流されていたもので、痛烈な社会風刺、少々きわどいネタで知られています。様々な歴史や文化をネタにし、巷では「賢い人が見るコメディ」などと言われていたりします。番組の有名な話で、「スパム」という言葉に「迷惑、しつこい」などという意味を付加させ、辞書に掲載させるまでの現象を巻き起こしたという逸話があります。

 前回とうってかわって、この題材は参加メンバーにおおむね好評でした。文化的背景などが関係して解かり辛いネタに関しては、丁寧に解説を入れるという形態で議論を進行させました。そうすることで、作中描写に対するイメージ分析にまで話が膨らませられたのが大きな収穫です。

 私の担当回の目標は「議論の発端を見つける目を養う」 」と」」」というものでしたが、議論の前提となる知識を得たうえで、自ら着眼点を発見し、独自性のある見解を議論から引き出すという、私なりのプロセスをメンバーに少し理解してもらえたように感じます。どんな議論も、ぶつけ合わせるだけの知識、雑学、うんちくが無ければ成立しませんからね。

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M.S.さん、報告ありがとうございます。他のメンバーからの活動報告も、まだ続きます。

今学期は時間割の関係で、私は実質的な議論にほとんど参加することができなかったのですが、ときに談笑、ときに白熱にした議論を展開し、いつも楽しく(=重要! 異なる意見を、相手を不愉快にせずに、はっきり述べるには、スキルが必要です)意見を交わしていました。

まさに学生主導の「トワイライト」ですが、研究会の環境整備、話題提供など、教員としてもささやかなサポートを続けたいと思います。来学期の活動も、どのようなアイディアでどのような展開になるのか、楽しみにしています。来学期の履修登録の状況によって、活動計画を決めていくことになりますが、また活動方針がでましたら、このブログでもお伝えましす。

伊藤淑子

 

 

 

 

 

 

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