学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルスタ漫画・アニメ・ゲーム研究会「トワイライト」の活動報告②

春学期もあと一週間になりました。2年生有志を中心に、1年生も加わって、トワイライトの活動を続けてきました。リーダーのMAさんからの報告が届いています。

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初めまして、MAです。私が担当した4回のトワイライトについて報告します。私がトワイライトで扱ったのは以下の作品です。

『ハート・ロッカー』、『少女革命ウテナ-アドゥレセンス黙示録』、
『さかさまのパテマ』、『雲のように、風のように』

前回までの作品が特撮だったので、次はアニメーションも扱いたいと思い、アニメ映画を3作品取り上げました。『ハート・ロッカー』はアニメーションに入る前に、実写映画との比較もおおしろいと思い、また分析対象の多様性を、新トワイライトメンバーに確認してもらいたかったので、最初に取り上げることにしました。内容としてはイラクで働く、アメリカ軍の爆弾処理班に配属された男の話で、友人曰く、作品内にイスラム系の国やアメリカ軍に関するコノテーションが多く隠されているといいます。

次に扱ったのが、『少女革命ウテナ-アドゥレセンス黙示録』です。私が今回のトワイライトで一番扱いたかったのがこの作品でした。『少女革命ウテナ』というテレビ放送されたアニメの映画版の作品です。テレビ版とは物語の構成を変えて、映画版単体で見ることができます。アニメ作品は3作扱いましたが、分析に入る前の視聴中、たびたび笑いや驚きの声が多かったのはこの作品でした。私としては、『ウテナ』という、ある意味変わり種のアニメを見ることでメンバーから「なにあれ?」「どうゆうことなの!?」といった、言葉を引き出せたので満足です。文化研究をしていると、とくにジェンダーの視点から『ウテナ』はたびたび言及されるのですが、おそらく、今回初めて『ウテナ』をちゃんとみたメンバーが多かったと思います。問題提起をする題材にするには良い物件ではないかと思うので、今後の何かしらの糧になれば幸いです。

三作品めに『さかさまのパテマ』を取り上げました。作品について一番議論が盛り上がったのはこの作品でした。何を議論したのかというと、作品世界の世界観についてです。作品が何を伝えたかったのかという点よりも、前提となる世界観をつかむのがむずかしいのです。しかし世界観のつかみにくさは、作品のつまらなさにはつながりません。つまらない作品でしたら、このように作品についてよく理解しようという気にもならなかったはずです。いつまでも議論が続くことこそ、興味を沸かせることのできる作品であるという証だと思います。

最後の『雲のように、風のように』は全員が初見の作品でした。中国王朝を感じさせる世界観なのに、キャラクターが使う言葉が「ギャル」「ぴちぴち」などの現代言葉だったのが面白い点でした。また、戦で人が刺されたり、切られたりしても血が流れる描写がなく、生々しいと思える描写は画面に映らなかったことに驚きました。印象としては、男性キャラクターが女々しく、女性キャラクターは勇ましいように感じられました。この作品も問題提起をするには良い作品かもしれません。場面ごとに意見を言い合いました。

ファシリテータとしての私の力がもっとあれば、参加者の意見交換がさらに盛り上がったかもしれません。もっとメンバーが積極的に意見を言えるような会にしていくために、運営の方法を工夫し、考えを実践していきたいと思います。以上で報告を終わります。

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MAさん、ありがとうございます。決まったメンバーだけではなく、ふらりと立ち寄った人も参加できるオープンな研究会になるように、さまざまな配慮をいつももありがとうございます。

6月後半から7月の活動報告はまた次回。

大学は試験期間です。学生たちは充実した学生生活をおくっています。試験と課題が終われば、夏休み、fight!

♪伊藤淑子

 
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