学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルチュラルスタディーズコースでできること⑤「自由」になろう

カルチュラルスタディーズコースで学ぶことは、よく言えば「総合的」、実態に即して言えば、拡散的。ジブリの『ハウルの動く城』の記憶のなかのシーンで描かれるように、「これだ、私が求めていた答えは!」と思って、その光をつかんでも、その瞬間に、光は砕けて、散らばって、またもっと広く、もっと多角的な探求が必要になります。でも拡散して広がる探求が、思いもしなかった、予想もしなかった地平線の向こうに導いてくれることを経験すると、それが楽しくてしかたのないものになります。

私たちが目指すのは、ひとことで言えば、「自由」になることーー権威にも、固定的な伝統にも、偏見にも束縛されず、新しい視点や考えに心を開いて、何にも捉われない柔軟な精神を持つこと。柔軟であるというのは、優柔不断であることではありません、むしろ、とても強靭な精神力が必要。

カルチュラルスタディーズは人文学科、そして文学部のなかのコースです。
英語で文学部は Faculty of Literature、ここでのliteratureは、文学というより、ことば、文献、資料、大正大学の文学部には、日本文学科、歴史学科、そして人文学科があります。人文学科はDepartment of humanities・・・人文学とは、文字通り、「文系の」学科。学科の名称に研究分野を掲げる日本文学科と歴史学科とは対照的に、文系の学科と銘打った人文学科は、研究対象も、研究の方法も、無限に広がります。

人文学=humanitiesはliberal artsと言い換えることもできます。Liberal artsは、歴史的には自由市民になるために必要だとみなされてきた科目を指します。それはいまも受け継がれて、現代社会を自分自身の視座で見つめて、責任を果たしながら自由に生きるために必要な広い教養が、人文学の目指すところです。専門的で限定的な知識とは反対の方向です。

大学に入学するときに、明確に自分の将来の道を決めることができているならば、その道に進むための大学受験がある、でも、大学を選ぶときに、揺るぎない将来の方向性を見定めることが、本当にできるのだろうか・・・人文学の強みは、しっかりと教養を身につけながら、じっくりと将来の設計ができること。

勉強をしているあいだに、さらに学問を追求してみたくなったら、大学院に進学して、文学、文化人類学、哲学など、さまざまな方向に具体的な研究テーマを深めることもできます。文化と宗教は切り離せないもの、カルチュラルスタディーズコースで勉強しながら、隣接するコースで宗教学について学び、さらに学際的な研究に取り組むこともできます。いま、カルチュラルスタディーズコースから、大正大学の大学院、比較文化専攻に進み、フォークロア(伝承文学)とフェアリーテイル(おとぎ話)について研究しようとしている学生もいます。ジェンダー研究を発展させて、社会学的アプローチを目指している学生もいます。

カルチュラルスタディーズコースで、ゆっくりと時間をかけて教養に身につけ、じっくりと将来の設計をして自分の道を切り開きませんか。思春期のような、闇雲の「自分探し」ではありません。自分とはどのような存在か、いったん引き受ける覚悟をしたからこそ、あらゆる既存の価値に捉われない「自由」な精神を、いっしょに求めてみませんか。アニメや歌から始まる楽しい文化研究も真剣勝負、いっしょに考えて、議論をして、論理的表現力を磨きませんか。仲間といっしょに。

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カルチュラルスタディーズコースで、仲間といっしょに、自分を鍛えませんか。「自己信頼」「自信」を資本に、「自由」な精神で、自分の将来を切り開いていくために。

                                         ♪伊藤淑子
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