学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルチュラルスタディーズコースで学ぶこと①

受験シーズンが始まりました。
AO、推薦、一般入試、受験生の皆さんは進路の選択の時期を迎えて緊張していらっしゃることでしょう。

人文学、カルチュラルスタディーズ、聞きなれないことばかもしれません。
でも、大学では、高校までの学びの基礎の上に、”大学ならでは”の学問をしてみませんか。

カルチュラルスタディーズおもしろさ、それはあらゆるものがつながっていくことにあります。さまざまなテーマをいっしょにみつけませんか。

アニメーションもテレビドラマも映画も文学も、音楽も、ファッションも、芸能も、哲学も、思想も、宗教も、あらゆるものが人文学、文化研究のフィールド、古今東西に目を向け、さまざまな研究の方法を学際的に取り入れて新しい問いを探しましょう。


カルチュラルスタディーズの問い、ほんの少しですが、考えるきっかけにしてください。
こんなことを考えることに興味がわいたら、ぜひ、カルチュラルスタディーズコースの案合を見てみてください。https://www.tais.ac.jp/faculty/department/cultural_studies/


人はなぜ戦うのだろう

カルスタの授業では、アニメやゲームで頻繁に描かれる「戦い」(戦争)の授業もあります(授業では、太平洋戦争を例として取り上げています)。戦いや戦争とファッションは、人類の歴史を通じて、密接に関係していました。つまり、戦士・武士・兵士の服装や装備に見られる非機能的なものも「文化」「戦争文化」の一側面なのです。

文化ってなんだろう?


そう!文化ってなに?その答えを求めながら、文学も、アニメーションも、映画も、芸能も、音楽も楽しむのがカルチュラルスタディーズ。時間をかけて楽しみながら分析の糸口を探ります。カルチュラルスタディーズコースで学ぶことは、よく言えば「総合的」、実態に即して言えば、拡散的。ジブリの『ハウルの動く城』の記憶のなかのシーンで描かれるように、「これだ、私が求めていた答えは!」と思って、その光をつかんでも、その瞬間に、光は砕けて、散らばって、またもっと広く、もっと多角的な探求が必要になります。でも拡散して広がる探求が、思いもしなかった、予想もしなかった地平線の向こうに導いてくれることを経験すると、それが楽しくてしかたのないものになります。

これは食べ物?食べてはいけない?

食はあまりにも身近で、考えることもないほど身体化されているので、自身の「常識」を超えた習慣に出会うと、かなり面喰います。食とは、食材、料理、調理法といった具体的な事柄以外に、食習慣や衛生観念、あるいは衛生問題とは別の浄不浄といった概念や食をめぐる価値観があり、実に多様な展開を見せるものです。「食べ物」の範疇も文化によって違います。食習慣について、地べたに座ってお皿から手づかみで食事をする人をどのように思うでしょう? 手づかみで食べることも、手で食べる食べ方(ルール)があります。日本は食に対するタブーがかなり少ない地域で、なかでも東京は世界各地のおいしい料理が集まる都市です。それでも私たちになじみのない食材、食べ方、価値観に出会うと面喰うのです。食はいうなれば、異なる価値観を知るはじめの一歩、多様な食を体験し、様々な価値観の存在を知りませんか。

音楽ってなんだろう?

「音楽」といえば、ある「カタチ」が思い浮かぶかもしれません。クラシック、J-POP、ロック、パンクなどのジャンル名が思い浮かぶかもしれません。「音楽」の「あるべき姿」が、あなたの中にあるかもしれません。でもそれは本当に「音楽」でしょうか? 「音楽」はド・レ・ミのような音とリズムとが組み合わされてできている、と人は単純に思うかもしれませんが、世界は広くて、無数の振動のなかから特定の周波数を選び出し、別の名前もあるのです。しかも振動には人の鼓膜にとらえきれないものもあり、それを巧みに利用した「音楽」も存在します。「音楽」とは何かについて、あらためて考え直してみませんか。
「音楽」はさまざまな行為によって成り立っています。作る・音を出す人はもちろんのこと、聞くことをはじめとしたコミュニケーションの問題、演奏や音楽行為を支えるといったプロデュースの側面、テクノロジーや流通の問題、政治との関わりなど、「音楽」の外側にも問題は広がっている。それらを総合して初めて「音楽」の姿がちらっと見えてくるのかもしれないのです。

ファッションってなんだろう?

トレンチコートは街でよく見かけるファッションです。その由来を知っていますか? トレンチとは塹壕のこと、戦場の兵士のために作られたものなのです。日本の鎧も美しいものです。鎧や甲冑は、戦意も高またことでしょう。クレフェルトというイスラエルの軍事研究家は「おそらく西洋の戦士以上に、日本の武士たちは戦士にふさわしい恰好をするためにどんな労も惜しまなかったのだろう」と述べています。モッズコートも寒さに耐えるための軍用パーカです。ファッションのルーツをたどるのも興味深い文化研究です。

ディズニーアニメーションのなかでキャラクターたちが何を着ているか、注目したことがありますか。ピーターパンの緑の衣装、プリンセスたちのドレス、アリスのエプロンドレス、アリスが追いかけるウサギの衣装。当たり前のように受け入れている衣装のイメージについて考えてみませんか。


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実りの秋を過ごして、よい進路選択をしてください。
                           ♪伊藤淑子



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