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「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

国際文化コース&カルチュラルスタディーズコース通信⑭

3月から4月へ、年度があらたまろうとしています。
2020年度はこれまでにないさまざまなことがありましたが、このようななかでも、一生懸命に学び、すばらしい成果をあげた学生たちを誇らしく思います。

このなかで培われた力はとても大きなものです。
仲間とともに励ましあい、協力し、支えあいました。
その力で、2021年度もがんばりたいと思います。
卒業した先輩たちの努力を見習いたいと思います。

4月から、国立大学の大学院に進学する先輩からのメッセージをお届けします。

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後輩の皆さん、こんにちは。この度大正大学を卒業したG・Yです。今回、後輩の皆さんにメッセージを送らせてもらえることになりましたので、私の学生生活について、少しお話をさせていただきます。 
私は1、2年のころ、とても学ぶことを楽しんでいました。文学部人文学科に所属して、講義の内容やレポートの題材に対して、自分なりの論理で語ることが好きでした。それが自分の将来のためになるとか、大きな目標につながるかとかは関係なく、ただただ新しい物事を学ぶことが楽しかったものです。しかし次第に、それだけではいけない、と考えるようになりました。 
転機となったのは、2年のゼミです。ゼミの担当の先生の話を聞きながら、自分の考えを社会に少しでも役立てることはできないか、と考えるようになりました。そこで、大学院に進学し、学ぶ分野も変え、いっそう広い視野を得たいと思い立ちました。 
分野を変えることを決意した当初には、自分自身の手で自分の考えたことを社会の中で使う術を学びたいという思いから、社会心理学やメディア学といった社会や人との接点の多い学問をめざしていました。しかし最初にこれらの分野をめざした受験は失敗しました。その後、より自分の特性にあった分野を探し、国際政治学を選択し、何とか合格することができました。そこまでにはかなりの迷走を辿りました。 
こうした経緯を振り返ってみて、ひとつ教訓として言えることは、迷走しているとき、悩みだけがあって答えが出ない状態になっているときは、建設的に悩むことが必要だということです。人は悩んでいると、つい悩むこと自体に浸りきってしまい、答えを出したり問題を解決するための悩み方ができなくなってしまうことがあります。私の場合も、このような状態になっていました。このような状態から脱することができたのは、自分が何を望んでいるのか、自分が望んでいることを行うためにどんな具体的な方法を取ればいいのかを整理して考え、進路にそれを反映したからだと思います。 
月並みな言葉ですが、人生の大きな目標や望みをかなえるための方法というのは様々あり、時には地味で嫌気がさす道も存在します。人は自分が思う輝かしい道程を辿れず、結果を得られなかったとき道が無くなったと考えがちです。しかしそうしたときも、楽しく華やかでないだけで、魅力がないだけで、目標につながる道を見落としてしまっている場合もあります。後輩の皆さんがもし人生の目標や人に言えない大きな夢に進む道を自分が外れてしまったと思ったとき、悩むことにとらわれてしまうのでなく、自分の望む進み方以外の、嫌な道、けれど目標に一ミリでも近づく道がないか考えてみてください。悩んでいると、何もかも投げ出して楽になってしまいたいと考えることもあるかもしれません。 しかし、私自身の経験から言うと、何もかも投げ出しても楽になることは絶対にありません。何か目標を持っている人の場合は、特にそうだと思います。一度目標を持ってしまった人は、目標を捨てたつもりで穏やかに休んでいても、目標が叶えられていない現状に苦しむことになります。それがその人が本当に望んでいることであるならば、それはより強い苦痛になることでしょう。ですから、悩んでいる時こそ、建設的に悩むことを意識して具体的な物事に向かって手を動かし続けることをお勧めします。私のゼミの教授の言葉ですが、「考えても仕方がないことは考えない」ことが時に必要です。考えて何とかなること、自分の力で何とかできる範囲はどこまでかを意識することを大切にしてみてください。
最後に、どんなことでも言えることですが、自分の頭だけで考えることはやめてください。どんなに頭のいい人でも、個人の脳みそで考えられることには限界が存在します。自分一人で考えていると、考えがカルト的な方向や鬱屈した方向に向かってしまっていても気付かない場合もあります。大学生という身分を利用して、自分の嫌いな人、好きな人、受け入れ難いと思う人とも話し合ってみてください。たとえ好きな人とだけ話す場合にも、様々な種類の好きな人を作ってください。自分の嫌いな人間の全てが自分の敵になるわけではないことを忘れないようにしてください。私も今まではこのことがあまりできなかったので、これからは意識してやっていきたいと思っています。皆さんが皆さんの今後を実りあるものにできることを願っています。
                大正大学文学部人文学科カルチュラル・スタディーズコース4年 G・Y

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先輩のことばにもあるように、一度二度の挫折にくじけることなく、自分の目指す方向に、道を見出し、チャレンジすることは、とても大切なことです。
4月からは新たな場所で、大学院生として、ますます励んでくださるものと思います。
後輩たちに「国際政治」について、話しにきてくださるのを楽しみにしています。

私たちも新たな気持ちで、それぞれに目標を立てて、新しいスタートを切りたいと思います。


                              国際文化コース
                       カルチュラルスタディーズコース

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