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宗学コース

【天台学研究室だより】声明公演のご報告

台友会主・声明公演『仁王尊開眼 ~みほとけの心にふれる~』

 
今回で十二回目となり恒例行事となっております声明公演の様子をご紹介致します。
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声明とは、仏教儀式において用いる伝統的な声楽です。お経や仏・菩薩を讃える文言を豊かな旋律にのせて僧侶がお唱えするものです。
 
この声明を仏教学科宗学コースの学生は週二回の「法儀研究」の授業で実習しています。「法儀研究」では声明だけではなく、仏教儀式の作法、お経の唱え方なども学びます。この公演は、天台宗の学生が中心となって日頃の成果をお披露目する場となっております。また多くの皆さまに天台の声明を聞いて、仏教に触れていただく機会となっております。
 
今回の声明公演では、この大学の授業で修復した仁王像の開眼法要(たましいをいれる法要)を中心として天台声明をおとどけ致しました。
 
第一部では、法華経の教えに基づく天台宗の中心的法儀である法華懺法(ほっけせんぼう)を行いました。
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第一部 法華三昧
総礼伽陀・総礼三宝・供養文・法則・敬礼段・六根段・四悔
十方念佛・安楽行品(大行道)・後唄
 
 
 
第二部では、光明供法要にて仁王像の開眼をいたしました。この仁王像は、茨城県筑波山麓にある椎尾山薬王院の仁王像です。800年ほど前に作られたものですが、長い時の中で次第に朽ち破損してしまいました。そこで二年ほど前から教育の一環として修復しており、今回の声明公演にて開眼法要をすることになりました。
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この像は、両腕と両足先以外のすべての部分を一本の桧から作り出しているのが最大の特徴です。最初に外形をまる彫りし、そして後頭部の上から楔を入れて割り矧ぎ、内側を大きくくり抜くという、きわめてめずらしい割り矧ぎつくりという技法で製作されています。
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会場の客席側よりいくつかのパーツに分けて運び入れ、舞台上にてそれらを合わせ舞台に立ち上げました。立ち上げた時には、静かな客席の中から歓声があがる一幕もありました。
 
第二部 仁王尊開眼
奏楽(越殿楽)・四智梵語讃・四智漢語讃・奠供・奏楽(陪臚)
・仁王尊復元・諸天漢語讃・表白・五大願・光明供修法
・九條錫杖(一條・九條)・随方回向・仁王尊開眼
・「おつとめ」(開経偈・般若心経・宝号・回向文)・奏楽(五常楽急)
 
 
第二部の奏楽は雅楽倶楽部の皆さんの演奏です。
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本年度は、第二部で、奠供として仏さまにお茶をお供えしました。このお茶は舞台上にて茶道部による、お茶のお点前をお見せしました。また休憩時間には、茶道部の学生によるお茶によるご接待で、ご来場の皆様ののどを潤して頂きました。
 

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また華道同好会には、生け花を展示してもらい会場を華やかにしてもらいました。
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この公演の撮影は表現学部・放送映像表現コースの学生にお願いし、受付などいろいろなゼミの学生にお願いしました。その他、多くの方々のご協力にて本年度も無事に公演を終えることができました。今回の声明公演は冷たい雨の降るなかでしたが、多くの皆様にご来場いただきまして盛況でした。
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以下、アンケートからいくつか転載いたします。
・声明が大変素晴らしかったです。また、仁王様も立ち上がると益々勇ましく、迫力がありました。
・動きがあり、飽きませんでした。祈りの力を感じました。
・女性も頭を丸めて、お経をあげている事に感心しました。
・雅楽を身近で聞いたのは初めてだったので、日本人としてとても良かったです。
・抹茶の接待を受け嬉しかったです。寒い時に温かい飲物は身に染みました。
・展示されていた生け花がとても綺麗でよかったです。
 
声明公演は恒例行事として毎年行ってまいります。気が早いですが今年は年末12月19日(土)に礼拝堂にて行う予定です。沢山の皆様のご来場をお待ちしております。
 
仏教学科 副手 井上 智裕 記
 
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