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日本文学科

【日本文学科】田端文士村記念館にお邪魔しました【課外活動】

卒業論文の受付などで更新が遅れましたが、去る11月17日(金)に日本文学科の課外活動として、田端文士村記念館を訪問しました。この日は第3Qから第4Qの移行期である1週間の休講期間で、学生たちも少しリラックスした様子でした。


館に到着し、まずは田端文士村に関する映像を視聴し、研究員の石川士朗先生から、常設展示や企画展示「古典的作品の再現者 芥川龍之介「宇治拾遺物語」から「千夜一夜物語」まで」について、解説していただきました。その後、文学散歩として、芥川龍之介旧居跡、室生犀星旧居の庭石が残る童橋公園などを案内していただきました。午前には激しい雨が降っていたため心配もありましたが、文学散歩の頃にはすっかり回復、充実した時間を過ごすことができました。


室生犀星旧居の庭石が残る童橋公園

芥川龍之介旧居跡((仮称)芥川龍之介記念館建設予定地)の様子


参加した4年生2名の感想を紹介します。

・コロナ禍で自分の足を使った学習が難しい期間を過ごしていたため、卒業する前に文学踏査ができるとは思っておらず、望外の幸運でありました。非常に貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございます。
 芥川龍之介が萩原朔太郎の詩に感動し、早朝に寝巻きのままその家に飛び込んできたというエピソードを聞きました。後日、実際に芥川の家の場所から萩原朔太郎の家の場所まで走ってみたのですが、なにも言われなければそこは普通の街並みであり、歴史は維持しようとしなければ時間の経過で儚く忘れられるものだなと痛感しました。しかし、維持しようとすれば室生犀星の育てていた苔が田端文士村記念館にて未だに育てられているように、長く史跡を残すことができることもわかりました。
 歴史や成果を築き上げることは難しく、それを忘れられないように維持することも難しいです。だからこそ、学びを止めることなく過去からのメッセージを受け取れるような感性を持って生きていきたいと感じました。

・田端文士村記念館にて、文学散歩に加え学芸員である石川先生の解説を聞かせていただきました。
 文学散歩の中で、公園内に室生犀星の庭の石が設置されていることをはじめとした話を聞きながら、田端が文士、芸術家から愛されていたこと、田端に文化芸術が根付いていることを実感しました。
 また、文士村記念館内では大切な展示の工夫、研究についてお聞きしました。そこから、文学館や博物館、美術館に来館した際に展示品だけでなく、解説や設備の工夫にも注目してみようと新たな視点を得ることができました。
 私は卒業論文で久米正雄のことを題材に扱っています。その中で、石川先生からお聞きした芥川像と自分が久米から感じ取っていた芥川像に違いがあることに気がつき、その差異から卒業論文の執筆に際して、芥川が久米に対して何といっていたか調べた方がよいと気がつきました。
 文学散歩と石川先生の解説をお聞きして、田端の文学と文士、芸術家を学ぶとともに、卒業論文のヒントを得ることができました。お話を伺い、田端文士記念館に加え、2026年に開館予定の芥川龍之介記念館にも是非来館したいと感じました。この度は貴重な機会をくださりありがとうございました。


「過去からのメッセージを受け取れるような感性」、学科で学んだ4年生からこのような言葉が出てくることは、とてもうれしいことです。そして、フィールド学習での体験が卒業論文の気づきにつながっていく、これもまた、すばらしいことです。思えば今の4年生たちは、入学してすぐに授業がリモートとなった学年でした。行事らしい行事もなかなかできませんでしたが、最後の年にこのような課外活動ができたこと、そこから大きな学びを得たことはかけがえのない財産となったことと思います。今後も、このような活動が続けていけるような状況が続いていくことを願ってやみません。


ご協力いただきました田端文士村記念館の石川先生をはじめとするみなさま、ありがとうございました。改めて、御礼申し上げます。



以上、課外活動のご報告でした。日本文学科では、学生の興味や関心にあわせてさまざまな活動を行っています。

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大正大学文学部 日本文学科
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