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日本文学科

【日本文学科】『創作布袋戯 伊勢物語―二条の后―』公演を開催しました

2024年3月3日(日)に大正大学8号館礼拝ホールにて、『創作布袋戯 伊勢物語―二条の后―』公演を開催しました。

この企画は、台湾やシンガポール、マレーシアといったアジア地域の芸能である「布袋戯」(ポテヒ)、インドネシアの音楽「ガムラン」、日本の古典文学作品と、東アジアの3つの文化のコラボレーションを楽しむ異文化アダプテーションの試みです。布袋戯人形の遣い手であるチャンチンホイ氏、音楽家でありガムラン奏者である櫻田素子氏をお招きし、2018年度より日本文学科と人文学科の教員有志によって、撮影記録やワークショップの開催など、形を変えて続いてきました。

2022年度からは大正大学の学長裁量経費の支援を受けて、公開公演が実現しました。今年は二度目の公開公演となりますが、今回の公演は学生たち主導で新たな演目を作り上げたという点で、特別な意味を持っています。学生有志は、作品の選定からはじめ、題材が『伊勢物語』に決定してからはどの場面を選択し、どんなふうに構成するかを決め、脚本を作成し演出を考えていきました。難しいことはたくさんありましたが、特にセリフで説明しすぎないようにする、観客の想像力に委ねるようにする、これはとても難しかったようです。あるセリフについては、前日のリハーサルで最終的な変更をしました。学生たちの意見に最後まで耳を傾けてくださったチャンチンホイ氏、櫻田素子氏には、心から感謝申し上げます。
観覧の方の声を一部、紹介します。
・ポテヒとガムランを通して日本文学を、取り上げるという点には惹かれました。中国語でしか触れたことがなかったポテヒを日本語のおかげで臨場感たっぷりに楽しめました。ガムランも倍音そして単音で構成される音色に日本にも通じると感じることが出来ました。
・人形が感情豊かに動いていて、劇全体に臨場感が出ていた。特に、女が男に白露について尋ねる場面で、男に答えて貰えなかった女が、名残惜しそうに白露を振り返ったのが、最後の男の歌をより引き立たせるようで感慨深かった。総じて『伊勢物語』が人形劇によく落とし込まれていて、本編を軽くしか読んだ事のない私でも楽しめた。素敵な人形劇をありがとうございました。
・男と女が梅を見るシーンはオリジナルだと思うのですが、後の本文四段の「梅の花盛りに去年を恋ひていきて…」に繋がるのだと想起され、たいへん感動し、一気に引き込まれました。また恋に苦悩する男の動きがなまめいて、まるで生きているようで、素晴らしかったです。
そして、たくさんの方から、関わった学生たちの声を聞きたかったという意見をいただきました。以下、学生たちのコメントです。

・脚本を一から作るのが、大変でした。『伊勢物語』はゆるくはつながっているものの、はっきりしたつながりがあるわけではないので、それをどうつないでいくか、そしてどう展開していくかに苦戦しました。それでも、観客の方の感想でこちらの意図をしっかりとくみ取っていただけたことが分かり、とても嬉しかったです。昨年は脚本・演出の改訂から、脚本や演出を創る側に回りました。これまでは読み解く側だったのが、発信する側へと立場が変わりましたが、そこにはまた違った面白さがありました。[修士1年 髙野]

・今回は脚本を一から書く、ということで初めは不安感もありました。まず作品の選定から行いましたが、完成した劇をみて『伊勢物語』で良かったと心から思いました。起承転結がしっかりしていて見応えもあったのではないかと思いました。実際に脚本を書いている最中は、全く完成形が目に見えていませんでした。ですが、チャンさんや櫻田さんの力もあり素敵な劇として形になっているのをみたときはすごく達成感を感じました。また、脚本を書く中でゼミで学習した『伊勢物語』をまたもう一度深く読み、考えることが出来ました。良いアウトプットの練習になり、より深い学びに繋がったと感じました。脚本にチャレンジして良かったです。来年度までしか参加出来ないのが悲しいですが、今後も楽しみです。[日本文学科3年 浅井]

・短い章段が組み合わさっている『伊勢物語』は、脚本作成において分担しやすかったです。作品の選定ではかなり迷いましたが、この題材にしてよかったと思いました。登場人物たちのテーマ曲を聞いて、本当にぴったりと雰囲気に合っていて、音楽も人形劇も出来上がっていく過程を見ることができて、本当によかったです。[日本文学科2年 小菅]

・限られた分量の本編から、いかに解釈して話を広げていくか、苦心した。特に、自分が担当したのは本文が3〜4行の場面だったので、「男」が歌を詠んだ経緯などを伝えるのが難しかった。その場面は、「男」が観客に語りかけるという演出にすることで、上手く見せられたように思う。二条の后と侍女の歌をめぐるコミカルな場面も担当したのですが、見ている人に楽しんでもらえてよかった。プロの方に、自分たちが作った脚本を演じてもらうことは、本当に貴重な体験でした。楽しかったです。[日本文学科1年 瀨川]
学外の方と協力して一つのイベントをやり遂げること、そして鑑賞された方々から評価を受けること、学生たちにとって貴重な体験となったことは間違いないです。

上演の様子も撮影することが出来ましたので、来年度のオープンキャンパスや鴨台祭などでもご覧いただけるようにしていきたいと考えています。今後も、学科や学生の取り組みを外部に公開していけるように様々な工夫を行っていきたいと思います。

*本公演は、大正大学文学部日本文学科が採択された、2023年度学長裁量経費の補助を受けています。

大正大学文学部日本文学科では、これからも様々なイベントや取り組みを行っていく予定です。日本文学科公式SNSアカウントにおいて、情報発信をしていますので、良かったらフォローや拡散のほど、よろしくお願いします。
 
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