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哲学・宗教文化コース

【人文学科哲学・宗教文化コース】宗教文化研究B 身延山調査旅行③

前回に引き続き、「宗教文化研究B」の一環として行われた一泊二日の身延山調査旅行の様子をお伝えいたします。

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 今回は私たちが泊まった宿坊「麓坊」について、宿坊の住職および女将さんへのインタビュー、そして朝勤について紹介します。

【麓坊(住職・女将さんへのインタビュー)】
 宿坊とは、もともと僧侶や信徒のみを対象とした寺院や神社による宿泊施設のことですが、近年は一般観光客にも開放されています。今回利用した麓坊の名前は身延奥之院の麓に位置していることに由来しています。12世日意上人によって開創され、13世日伝上人が開基となりました。山門の扁額「宝聚閣」は、日伝上人の院号にちなんで名付けられています。
 1874年には蓮信坊と合併し、その後の歴史を振り返ると、麓坊がどのように変遷してきたのかが見て取れます。また、50年間無住のお寺だったエピソードも興味深いポイントです。
 麓坊は、宗教評論家・日蓮僧侶である丸山照雄さんが生まれた場所でもあります。彼は過激な評論活動で知られ、自由な立場から宗派にとらわれない活動を行っています。
 現在の住職は在家出身の望月浄教さんで、以前は七面山の執事・別当を務め、現在は宗会議員を務めています。住職になられたきっかけは、生死を彷徨う経験があり、なぜ自分が助かったのかを模索していたら法華経に辿り着いたそうです。お話から接しやすく意欲的な方でした。
 久遠寺には法華系の教団の団参が訪れ、身延山周辺には32か寺の宿坊が存在します。麓坊は霊友会・希心会などが利用され、かつては桜のライトアップや寺子屋なども行われていたそうです。




お料理

 
夕食・朝食は麓坊のゆばや季節の野菜を使った料理をいただきました。
 



 この宿坊では日常とは違った体験をすることができ、充実したひとときを過ごすことができました。貴重なお話をしてくださったご夫妻に心より感謝申し上げます。


朝の勤行について

 訪れた久遠寺では朝の時間から勤行が行われていました。二日目の朝、私たちは4時半に起床しました。外に出るとまだまだ暗く冷え切っていました。本堂につくとお焼香が焚かれており、特有の匂いが充満していて、とても荘厳な雰囲気となっていました。朝勤に参加していたお坊さんは身延山大学の学生だそうです。お経や、題目が書かれてある冊子をいただき、本堂での勤行の後は祖師堂にて、続けて勤行がありました。ここでは日蓮上人が祀られているのですが、本尊の前までいきお焼香をすることができました。全部で1時間半ほどかかりました。

↓朝勤が始まる前の本堂前です


<文責:富岡沙和・飛田心南>
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