学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

いわき市調査に行ってきました

 

 大正大学宗教学会では、昨年発生した東日本大震災に際して、星野英紀先生の発案により「震災と宗教」研究会を立ち上げ、以下の点を目標として調査・分析を進めています。
  
 ①震災によるさまざまな地域社会の危機に際して、宗教者・宗教団体はどのような対応・取り組みを行ってきたのか明らかにすること。
 ②震災が地域の伝統文化へどのような影響を与え、復旧・復興に伴って伝統文化がいかに再建されうるのかを明らかにすること。
 ③上記2つの短期的取り組み(①)、中長期的取り組み(②)を総合して、現代社会における宗教の役割を明らかにすること。

 フィールドは福島県のいわき市を中心とした福島県の太平洋岸です。震災が発生してから1年半弱ですので、現在は中長期的な展望を視野にいれつつも、宗教者の取り組みの諸相とその変容を中心に調査しています。すでにその成果の一端は、2012年2月に行われました「大正大学宗教学会2011年度秋期大会」での中間報告会・「いわき市における諸宗教の援助活動調査について」にて報告しました。
 
 今回は、星野先生、村上興匡先生、寺田喜朗先生、齋藤知明先生ら教員陣と、本学院生の魚尾和瑛さん(修士課程)と星野壮(博士課程)、さらには学外から川副早央里さん(早稲田大学博士課程)、藤井麻央さん(國學院大學修士課程)の総勢8名で、7月24日から27日までの4日間にわたりいわき市の調査を行いました。この成果は、9月開催の「日本宗教学会第71回学術大会」(於・皇學館大学)におけるパネル報告「東日本大震災後における<いわき市>と宗教」にて報告する予定です。
 
 詳しい内容については、宗教学会におけるパネル報告、『宗教学年報』に収録予定の論文に譲りますが、今回も仏教・キリスト教・新宗教など各宗教者・各教団よる支援施策の変化や、宗教者・信者双方への震災の影響の変化など、貴重な情報が得られました。さらには原発避難地域からいわき市に避難している仮設住宅住民の現状と課題、そしてそのような避難民に対して果たしうる宗教者・宗教団体の役割といった問題についても少しずつ明らかになってきたと思います。
 
 4日間の調査では多くの宗教者・宗教団体、行政担当者や市民各位のご協力を頂戴することができました。ご協力いただいた方々へは心より御礼申し上げます。
 
(本調査は、平成24年度大正大学学術研究助成金「東日本大震災後の社会・地域文化復興における宗教者・宗教団体の役割に関する調査研究」(代表・寺田喜朗准教授)と、大正大学宗教学会の研究助成金によって行われました)
 
(文責・星野壮)
 
 
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震災当日に避難所となった浄光院から臨む小名浜港
 
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楢葉町から避難してきた大楽院は、いわき市に新たに別院を建てた
 
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震災時に支援物資分配の拠点となったグローバルミッションチャペルの礼拝堂(改築後)
 

(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

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