学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

「としまコミュニティ大学」ゼミ紹介⑦

「こどもに『いのち』をどう教えるか~市民が提案するいのちの授業~」⑦

  担当:弓山達也(マナビト支援者)  

      齋藤知明(マナビト支援補助者)

 

 実施日:7月23日(月)10時~12時

 教 室:大正大学3号館1階 鴨台プロジェクトセンター

 受講者:9人

 今期最終回となった7回目のゼミのテーマは、「「いのちの教育」を提案する」でした。前回まで2つのグループでそれぞれ議論し合ったことをもとに、弓山教授と齋藤が授業案のたたき台を作ってきました。弓山教授は「いのちのとらえ方の多様性と母親の子どもに対する愛情を自分の生活に即して理解する」、齋藤は「死を意識することによっていのちの大切さを知る」がサブテーマです。どちらも、授業の準備や実際の教育現場に市民が関わることを前提としています。ここでは、齋藤案について簡単に紹介していきます。

 前半は受講者が2つのグループに分かれて、たたき台の加筆修正をしました。齋藤案は、目標を「自分の生が限られたものであることを自覚し、生きることについて考えることができる」「自分の家族と脳死臓器移植の選択について話し合うことができる」と設定しています。教材としてはドナーカードや小児脳死臓器移植に関する新聞記事を使います。

 授業案は、導入部分では「人間はどれくらい生きるか」「あなたはどれくらい生きたいか」を問いかけます。展開部分では、脳死臓器移植が不意の事故でありながらも、児童にとっては決して他人ごとではないということを教えながら、脳死臓器移植の仕組みについて説明します。説明を受けて自分だったらどうするかなどを紙に書いてもらった後に、児童と市民が混合となって少人数グループを作り、ディスカッションをします。ディスカッションでは答えを出しません。まとめとして、人間が80年生きるとして、あと何息できるのかなどを「数息観」をすることによって体験を交えながら理解させます。このような案をもとに、グループで話し合い授業案をまとめていきました。

 後半は、代表者がグループで話し合った結果を発表し、全体で討論しました。齋藤案に対しては、「導入と展開とまとめがどのように接続するのか」、「市民と児童がディスカッションすれば大人の意見に児童が引っ張られるのではないか」、「児童に脳死臓器移植を教えるためには新聞記事だけでは難しいのでは」といった質問がありました。一方で、「脳死臓器移植を児童にわかりやすく教えるための教材を市民が作ることが、「いのちの教育」に市民が関わることのできる手段となるのではないか」、「答えが出ないことを大人と一緒になって考えるということが重要なのではないか」といった意見も挙がるなど、議論は盛り上がりました。

 今回のゼミで作り上げていった授業案は、12月初旬に行われる「子どもといのちの教育研究会」にて発表する予定となっています(この案内は後日別途いたします)。そこでは、ここで紹介できなかった弓山案も報告される予定です。そのため、夏休み明けからは月に1度ほど集まり、授業案の精度を高めていこうと考えています。

 最後に、受講者全員で記念写真を撮り、前期のマナビトゼミは盛会をもって閉じました。

(文責:齋藤知明)

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(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

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