学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

【震災と宗教】パネルディスカッションに参加しました

 3月2日、3日にかけて、東北大学で行われたパネルディスカッション「東日本大震災と宗教者・宗教学者」ならびにエクスカーション(主催:東北大学大学院文学研究科実践宗教学寄附講座・京都大学こころの未来研究センター震災関連プロジェクト・宗教者災害支援連絡会、共催:東北大学大学院文学研究科・世界宗教者平和会議(WCRP)・心の相談室)へ、寺田喜朗先生と、院生の魚尾和瑛(博士前期課程)が参加しました。

 

 3月2日のパネルディスカッションでは、第1部基調講演に宗教学者の山折哲雄氏が登壇されました。

 第2部の報告では、6人のパネリストがそれぞれの立場から、東日本大震災での活動、活動における課題を報告されました。以下、パネリストと報告の題になります。      

  ・金田諦應・通大寺住職「東日本大震災と仏教者」

  ・川上直哉・仙台教会主任教師「東日本大震災とキリスト者」

  ・藤波祥子・八重垣神社宮司「東日本大震災と神職」

  ・黒住宗道・WCRP日本委員会理事・黒住教副教主「東日本大震災と超宗派的組  織」

  ・稲場圭信・大阪大学准教授「宗教者と宗教学者の連携」

  ・黒崎浩行・國學院大學准教授「宗教系大学の取り組みと宗教学者」

 

 そして第3部では、それらの活動に対して、4人のコメンテーターから、コメントがなされました。以下、コメンテーターになります。 

  ・玄侑宗久・福聚寺住職

  ・島薗進・東京大学教授

  ・岡田真美子・兵庫県立大学教授

  ・蓑輪顕量・東京大学教授

 

 今回のパネルディスカッションでは、今まで被災地における宗教者や超宗教組織などの活動が報告され、コメンテーターからは、それらの活動の評価と共に、継続した取り組みの必要性と課題がコメントされました。

 

 また、3日のエクスカーションでは、福島県相馬市磯部地区、宮城県山元町にある八重垣神社、名取市の下増田神社、閖上中学校、日和山、仙台市折立団地を訪れました。特に福島県に入ると、宮城県よりも沿岸部のがれきが多いように見られ、福島県のがれき処理が進んでいないことが見受けられました。

 また、下増田神社は仙台空港の側にあり、津波を被らなかった奇蹟の神社と呼ばれている所でした。実際に現地に立つと、なぜ津波を被らなかったのか不思議になるような場所にありました。

下増田神社.jpg

奇跡の神社と呼ばれる、下増田神社

相馬市磯部地区.jpg

相馬市磯部地区 沿岸部には堆積した土砂と数本の木々しか残っていなかった

 

 パネルディスカッション、エクスカーションと参加し、東日本大震災から時間が経過していくなかで、継続的な活動を続けていく難しさや、時間経過による支援内容の変化などが求められていることを感じました。震災から2年が経過していく中で、調査・研究もどのようにその視点を変化させていくのか、今後の調査・研究へと繋げていきたいと考えております。

(文責・魚尾和瑛)

 

(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

GO TOP