学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

岡山県の宗教施設研修旅行に行きました③

 

 最終回となる今回は、金光教本部について報告します。

 吉備津神社の後、私たちは金光教本部を訪れました。金光教は、安政6年(1859)に赤沢文治(金光大神)によって立教されました。金光教は、この世に生を受けた者のつとめとして、心を大切にし、「人を助ける」ことを説いています。難儀に苦しむ人々を一人でも多く助けることが神の悲願であり、神の子である人間は互いに助け合っていく中で、「人を助ける」働きをすることが求められています。

 金光教においてもっとも重要な儀礼は「取次」とよばれるものです。これは、難儀に苦しむ人々が「立ち行ける」ようになるため、参拝者の願いを神に届け、神の願いを参拝者に伝える儀礼のことです。取次は、全国約1500の各教会で行われていますが、本部(広前)では、基本的に教主によって朝5時頃から1520分にわたって執り行われています。

 28日の午後からは、金光教教学研究所(以下、教学研究所)の大林浩治先生により、金光教本部の案内をしていただきました。会堂(金光教の神が祀られる場)、立教聖場(赤沢文治の自宅が復元されたもの)、教祖奥城(教祖と家族の墓)、歴代教祖奥城、教学研究所(教学の研究機関)、金光教学院(教師の養成機関)について、それぞれ詳しく解説して頂きました。


金光教学院にて


金光教学院にて

 

 なお、現在、教学研究所として使用されている建物は、昭和6年(1931)に昭和天皇が岡山県に行幸する際の御用邸として建てられたものだそうです。また金光教学院は、現在32名が金光教の教師を目指して研鑚を積んでいるそうです(100名以上在籍したこともあったそうです)。ちなみに、修学期間は11カ月が基本との事でした(授業内容は、教祖・教義・教団史の3点を中心に構成されています)。学院生たちは輪番制により、学院広前の結界で取次ぎを行います。彼らは、取次を実際に行う中で、教師となるために必要なものを培っていくとの説明がありました。


 その後、私たちは大林先生の講義を受講させて頂きました。講義は、「教祖」「現代化」「信仰形態」をテーマとした内容を事前にお願いしました。大林先生は、①金光教学院で行ったアンケート結果を基に、外部の研究者の客観的な視点と、学院生の信仰に根差した視点には大きな開きがあること、②学院生たちが信仰を自覚的に捉え返す時、「教祖」をどう理解するかが重要となることを解説されました(信仰者として自立していく上で「教祖」という存在をいかに自身の生き方や実存的な問いに引き付け、活用するかが、重要な意味をもっている)。

 

講義の様子

大林先生による講義の様子

 

 その後、質疑応答を経て、我々一行と、教学研究所の所員7名で交流会をもちました。終始和やかな雰囲気で、ざっくばらんに意見を交換する会となり、とても有意義で楽しい時間を過ごさせて頂きました。

 翌29日、我々一行は、朝340分に金光様の出仕を拝見し、400分より会堂の広前で行われる「朝の御祈念」に参加させていただきました。500分からは、本部広前で取次が始まりました。数名の院生も(私も)取次を受けさせていただきました。

 金光教本部の施設群を実見し、大林先生はじめ教学研究所の先生方のお話を聞かせて頂けたことで、金光教の信仰がどのような環境で育まれているのか、肌感覚で実感し、様々なことを学ぶことができました。

 

 (文責・長島三四郎)