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宗教学専攻

【宗教学専攻】第186回駒沢宗教学研究会に参加しました


 3月27日(水)、駒澤大学にて第186回駒沢宗教学研究会・関東地区修士論文発表会が開催されました。本学からは、2018年度に修士論文を提出した渡邉龍彦さんが、「戦後地域社会における葬儀の変容と念仏講―旧栃尾市を事例に―」というタイトルにて発表を行いました。

 念仏講(主に通夜や葬儀において念仏を唱える地域の組織)は、先行研究において<社会変化の影響を受けやすく消滅しやすい>とされてきた一方で、現在も存続する地域が見られます。この点に着目した渡邉さんは、新潟県旧栃尾市(現長岡市)をフィールドに、念仏講がどのような変化を遂げ、どのように維持されてきたのか、講員・寺院・葬儀社への聞き取り調査と『市史』や広報誌等の資料から明らかにしました。
 農村と町場に分けて調査を行った結果、農村部では、元々女性による講だったものを、寺院住職の積極的な関与により男性講化することで再興・維持され、町部では、一度人員不足により消滅した念仏講を地元住民の有志が再興し、現在に至ることが分かりました。また、葬儀社も地域ごとの念仏の流れや道具の配置等を配慮した対応をとっていることから、当該地域では、葬儀における念仏講の通夜念仏が欠かせない要素だと捉えられていることを指摘しました。
 フロアからは、当地域における念仏講の位置づけや宗派による違い、葬儀社の対応等について質問が寄せられました。




 また、本学の他にも6大学(駒澤大学、國學院大學、東京大学、神奈川大学、筑波大学、慶應義塾大学)から発表があり、各タイトルは、
「過疎地域寺院における兼務と統廃合の実態 ―静岡県浜松市北遠地域の曹洞宗寺院を例に―」
「日本古代中世の霊魂観の系譜 ―認知宗教学の歴史研究適用への試み―」
「新歴史主義批評から見た『サムエル記』」
「モンゴル族シャーマン・ボーの現況とその性格 ―中国・内モンゴルホルチン地域を事例として―」
「インドネシアにおけるイスラームの信仰と近代 ―ムスリマのヴェール化の変遷をめぐって―」
「坐禅実践の多様な意義と他者意識 ―臨済宗円覚寺の坐禅会を事例として―」
というものでした。


 この研究会は、年に一度、宗教に関する研究を行う首都圏の大学院関係者が集まり、各校から修士論文を提出した学生が1名ずつ発表するという主旨のものです。宗教学・宗教史学・社会学・人類学・民俗学など様々な分野を専門とする先生方・学生たちが一堂に会し、バライエティ豊かな発表に対して議論を行います。
 発表者の多くは修士課程を修了したばかりで、学会・研究会での発表は初めてという場合が多いため、とても緊張感の漂う研究会ですが、こうした場で自身の研究成果を発表し、先生・先輩方から質問や意見を頂けることは、発表者にとって貴重な機会です。

 修士課程への進学を考えている方は、ぜひこの研究会での発表を目指し、本学研究室で共に研究・論文執筆に励みましょう。


                                     (文責:大場あや)