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宗教学専攻

【宗教学専攻】日本宗教学会第84回学術大会に参加しました

2025年9月14日(日)~16日(火)、上智大学四谷キャンパス(東京都千代田区)にて、日本宗教学会第84回学術大会が開催され、本研究室からは教員、OB・OGおよび院生が参加しました。

大会第2・3日目には個人発表とパネル発表が行われ、本研究室からも関係者が発表をしました。



9月15日(発表時間・部会順)


◆江原知華(本学院生)「笠間稲荷における祭事の創設と地域発展-塙嘉一郎に着目して-」(第5部会)
博士後期課程の江原さんは、笠間市にある笠間稲荷神社の発展契機を明治・大正期にあると推測し、多くの参拝者を集める祭事を創設した塙嘉一郎に着目した上で、それらの祭事は様々な振興事業と組み合わさり、地域発展にも貢献するものであったと指摘しました。


◆大澤広嗣先生(文化庁)「不活動宗教法人の対策史」(第9部会)
OBの大澤先生は、職務上の経験を契機として、昭和40年代から60年代を中心に不活動宗教法人の全体像を把握し、それまでに講じられてきた対策の経過を整理した上で、宗教法人制度の観点から宗教法人法の運用実態およびその事実経過を検討しました。


◆小川有閑先生(本学地域構想研究所BSR推進センター主幹研究員)「法話からみる葬儀の実態―僧侶向けウェブ調査から―」(第10部会)
小川先生は、近年見られる葬儀・年会法要の簡素化、縮小化傾向を踏まえ、高瀬先生と共に質問紙調査を実施しました。法話に関する調査からは、法要における法話の実施の有無が明確に各僧侶の中で決まっていることが推察されました。また浄土宗において教義を説く傾向がみられ、それが教義と葬送儀礼の親和性の高さに由来する可能性についても指摘しました。


◆髙瀬顕功先生(本学准教授)「葬送儀礼の地域差とその機能―僧侶向けウェブ調査からの分析―」(第10部会)
高瀬先生は、小川先生と実施した質問紙調査を分析し、家族葬の浸透が葬儀の小規模化に影響を与えていると考察しました。また、ポストコロナの葬送儀礼の実態把握及び「満足のいく葬送儀礼」の条件を明らかにすることが今後の課題であると指摘しました。



9月16日


◆小前ひろみさん(本学院生)「米国教役者ストージの排日期日本での評価-新聞資料を中心に-」(第5部会)
博士後期課程の小前さんは、20世紀初頭の米国カリフォルニア州で排日運動が激化する中、日本人移民を擁護した長老派日本人伝道総理E・A・ストージについて、1915年の訪日の日本国内での評価を新聞報道を手がかりに考察しました。


◆弓山達也先生(東京科学大)「信仰と離反―リバイバル運動としての草津聖バルナバミッション―」(第5部会)
本学でも教鞭を執られている弓山先生は、「宗教的な情熱から始まった運動が落ち着いたとき、信仰はどうなるのか」という問題を、大正期の草津にあった聖バルナバ・ミッションの看護師である三上千代の事例を通して検討しました。


◆岡田正彦先生(天理大)「円通『実験須弥界説』を読む―近代的自然観と仏教思想―」(第7部会)
本学OBの岡田先生は、江戸時代の仏教思想家であり歴算家でもあった普門円通の著書『実験須弥界説』を取り上げました。本書を通して、近代的自然観が仏教思想に与えた影響や、近代仏教思想の展開との関連性などについて考察しました。



今大会のプログラムは、以下のURLより閲覧できます。関心のある方は、ぜひご覧下さい。

https://jpars.org/conf-past.html

(文責:芳賀徳仁・小島里奈・針田智羽・屋嘉比晋・屋嘉比琳)

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