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比較文化専攻

     他文化に対する「排他的態度」について考え直してみよう!

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星川啓慈「他文化に対する〈排他的態度〉をめぐる論理学的考察——その不可避性と克服について」
(表紙をクリックすると、論文が読めます!)

 現在,「異なる文化の共生」や「他文化に対する寛容な態度」の重要性が頻繁に強調され,「われわれはこうした事柄に積極的に関与しなければならない」という見解が一般的なものとなっています。もちろん,私もそのこと自体に異論はありません。
 しかし,「他文化に対して寛容であるべきだ」とはいっても,現実問題としてそれが難しい場合もあることは,こうした問題に取り組んだ人であれば誰もが痛感している事実ではないでしょうか。さらに踏み込んでいうと,人は自分が属していない文化に対してそれほど容易に寛容になれるでしょうか……。

 現代社会においては,一般に「排他」「排他性」「排他主義」「排他的態度」という言葉は最初から否定的な含蓄をもっており,これらの言葉は頭から否定されるというのが実情でしょう。しかし,これでは「思考停止」ではないでしょうか。
 「多文化共生」を深く考えるには,また,これをさらに進展させていくためには,他文化に対する寛容な態度を人々に求めたり,多文化共生を推奨したりすることに加えて,今一度,「排他性」をめぐる根源からの冷静な議論が必要だと思います。

 今回は、多文化間精神医学会の学会誌『こころと文化』(第18巻第2号,2019年)に掲載していただいた,私の論文の全文を紹介します。かなり抽象的で論理的な議論が展開されますが,辛抱強く最後まで読んでいただけると,幸いです。

 なお本ブログに掲載を許可してくださった,『こころと文化』の編集部の方々に心より感謝いたします。

星川啓慈(大学院比較文化専攻長)