学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

【仏教学科教員リレーメッセージ】加藤精純先生

仏教学科の皆さん


私はJ-POPが好きで、Mr.Childrenbacknumberなどを好んで聴いています。
悲しいときや、つらいときに、音楽を聴いていると、ほんの少し心が和んだり勇気づけられたりといったことを経験した方も少なくないと思います。

Mr.Childrenのボーカルである桜井さんの歌詞の中で、次のようなものがあります。

「愛は♪きっと奪うでも与えるでもなくて♪気がつけば♪そこにあるもの♪」

若かりし頃に聴いたとき、思わず、「なるほど」と心躍らせたことを思い出します。
ここで表現される男女の愛について、私は経験値が低いため、何もコメントすることはできないのですが、このフレーズ中の「奪うでも与えるでもなくて、気がつけばそこにあるもの」という歌詞は、とても仏教的であると私は思うのです。

仏教の最も基本的な思想に、「施(ほどこ)し」というものがあります。
まず、自分自身が努力することから始めなければならないのは当然でありますが、実はそれだけではだめで、同時に他に施す、つまり他人のためになることをおこなう、という実践も仏教では重要視されるのです。
そして、その施しとは、与えてやろう、とか、相手のためにこれをしてやれば、いつか自分に倍になって返ってくるだろうなどという、邪(よこしま)な考えを一切捨て去らねばならないのです。
施す者、施される者、施される物という三要素がすべて清浄であることが必要なのです。
すなわち、一切の執着を捨て去ったところに、真の施しが成立するということです。

今、世情は不安定です。
こうしたときこそ、あとで「気がつけばそこにあるもの」という極めて清浄な心をもって、他と接していかねばならないと思います。

この苦難を何とか乗り切れるよう、お互いに精進しましょう。
最後に、新入生の皆さん、ご入学、本当におめでとうございます。


令和2年4月17日
加藤精純



【大正大学仏教学科マスコットキャラクター シャカの助】

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