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宗教学専攻

【宗教学専攻】日本宗教学会第77回学術大会に参加しました(前編)

 9月7日(金)~9日(日)、大谷大学本部キャンパス(京都市)にて日本宗教学会第77回学術大会が開催され、本研究室からは教員および院生ら20名が参加しました。
 大会第2・3日目には個人発表とテーマセッションが行われ、本研究室からもOB・OG含め多数の関係者が発表しました。その様子を今回より2回にわたって紹介します。
 まず、本記事では個人発表について報告します。

▼寺田喜朗先生(本学教授)「創価学会の震災対応―相双地区の会員の語りから―」
 寺田先生は、2011年度より大正大学宗教学会内に設置された「震災と宗教」研究会において、毎年行われてきたフィールドワークをもとに、創価学会の東日本大震災への対応の特質を、福島県相双地区の会員の語りに焦点を当てながら考察されました。


発表を行う寺田先生

▼大澤広嗣先生(文化庁)「1940年の日本万国博覧会・オリンピックと仏教界」
 大澤先生は、1931年に日本に招来した「仏舎利」を奉安する場所を巡っての仏教界の議論と、万博・オリンピックという当時の日本で計画されていた大きな祭典との関係性について、当時の新聞資料等を用いながら考察されました。

▼松野智章先生(東洋大学)「宗教研究における自然主義の可能性について」
 松野先生は、宗教研究者として自然主義に基づく言説にどう向き合うべきかを論じ、自然主義は無視できないことを主張されました。また、今後の展開に関しても触れ、活発な討議を行いました。

▼小川有閑先生(本学研究員)「超高齢社会における僧侶の新たな役割―月忌まいりから考える―」
 小川先生は、超高齢化社会という日本社会において、月忌まいり(僧侶が毎月定期的に檀信徒を訪問し読経を行う習慣)が持つ社会的役割・機能について論じました。

▼髙田彩さん(本学院生)「武州御岳山の宿坊における女性家族の役割」
 青梅市の武州御嶽山には、御嶽神社に奉仕する御師の拠点であり、講員の宿泊施設でもある宿坊が点在しています。髙田さんは、その宿坊での女性家族(特に御師の妻)の役割を、多くの聞き取り調査を踏まえ考察しました。


髙田さん発表の様子

▼髙橋さん(本学院生)「「勤王僧」の贈位と顕彰」
 髙橋さんは、幕末に尊王攘夷運動に参画した僧侶達が、近代日本において「勤王僧」として語られるようになった淵源を、贈位顕彰という面から検討し、活発な議論が行われました。

▼大場あやさん(本学院生)「新生活運動と葬儀の変容―行政の意図と地域の対応―」
 大場さんは、新生活運動がどのようなメカニズムで展開され、地域社会の葬送習俗にどのような影響を及ぼしたのか、中央と地域という2つの視点から、山形県を事例に検討しました。

次回は、テーマセッションについて紹介します。

             (文責:福井敬・髙橋・大場あや・下垣良太・塚越明香・渡邉龍彦・小島一紗・中塚豊)

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