学部・大学院FACULTY TAISHO
宗教学専攻
【宗教学専攻】寺田喜朗先生共編書『森岡清美の宗教社会学―その検証と継承―』(法藏館)刊行のお知らせ
5月20日(火)、寺田喜朗先生による共編書『森岡清美の宗教社会学―その検証と継承―』が法藏館より出版されました(本体3,200円+税)。
寺田先生は、佛教大学の大谷栄一先生とともに編者を務められたほか、第5章「森岡清美の新宗教研究―森岡宗教社会学の成果と課題―」および「おわりに」を執筆されています。
本研究室OGの筆者(大場あや)も、第1章「森岡清美の〈真宗教団と「家」〉研究」を担当させていただきました。
※法藏館のWebサイトより試し読みができます。
本論集は、日本宗教社会学のパイオニアとして学界に大きな影響を与えてきた森岡清美先生(1923-2022)による研究の成果と課題を検討し、いかに後続世代へ継承すべきか、テーマ別に検証したものです。858本の論文と65冊の著作を検討した7つの論文と7本のコラムが収録されています。
森岡先生は、日本社会学会・日本家族社会学会の会長を歴任し、宗教社会学と家族社会学の「二足のわらじ」(本書1頁)による研究で戦後日本の社会学界を牽引してきました。大正大学大学院でも1978~1980年度に非常勤講師として教鞭を執られています。
森岡先生の研究業績のみならず、その独自の理念や方法、視点に至るまで検討し、まさに「継承」に重きを置いている点が本書の大きな特徴だと思います。
院生やこれから進学を考えている方々にぜひ読んでいただきたい一冊です。
なお、本論集は、2023年10月9日に立正大学で行われた第96回日本社会学会大会テーマセッション「森岡清美の宗教社会学を捉え直す」における6つの発表をもとに、コラムおよび特別寄稿として西山茂先生による「森岡清美─教団構造論から教団周期論へ―」(『国際宗教ニューズ』17巻1・2号、1978年)が加わる形で編まれました。
(当日の報告はこちら:【宗教学専攻】第96回日本社会学会大会に参加しました)
目次は以下のとおりです。
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はじめに(大谷栄一)
総 論 森岡清美の宗教社会学研究─その特徴と軌跡―(大谷栄一)
コラム1 書庫からみる森岡清美の宗教社会学調査―1950年代のフィールドノートから―(小林多寿子)
第1章 森岡清美の〈真宗教団と「家」〉研究(大場あや)
コラム2 森岡清美の真宗研究(大澤絢子)
第2章 森岡清美の神社研究―その社会学的/時代社会的位置づけ―(小島伸之)
コラム3 森岡清美の慰霊・追悼研究(今井昭彦)
第3章 森岡清美のキリスト教研究・再考(川又俊則)
コラム4 キリスト教の「受容・定着」研究とその批判的継承(山口瑞穂)
第4章 森岡清美の先祖祭祀研究―同時代の研究トレンドとの対応か―(問芝志保)
コラム5 森岡清美の墓と家族の研究(井上治代)
第5章 森岡清美の新宗教研究―森岡宗教社会学の成果と課題―(寺田喜朗)
コラム6 森岡清美の宗教調査(磯岡哲也)
特別収録 森岡清美―教団構造論から教団周期論へ― (西山 茂)
コラム7 森岡清美の「決死の世代」への思いと生き方(渡辺雅子)
資 料 森岡清美の著作一覧(大谷栄一)
あとがき(寺田喜朗)
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