学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

社会福祉学専攻

相澤仁先生(大分大学)の招聘講義

 

7月19日(水)相澤仁先生(大分大学)をお招きし、「アドボカシーの定義・理念・概要」をテーマにオンラインで講義をしていただきました。当日は、本大学院生、本学部生、豊島区民社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカー、本学専任教員などが参加しました。

相澤先生は厚生労働省児童福祉専門官、国立武蔵野学院長、日本子ども家庭福祉学会会長、日本子ども虐待防止学会理事などを歴任され、厚生労働省の子どもの権利擁護に関するワーキングチームの一員であり、全国子どもアドボカシー協議会理事長でもあります。先生は子ども家庭福祉の動向を踏まえた上で、アドボカシーの具体例をとりあげながら詳しく説明してくださり、受講生の質問にも丁寧に答えていただきました。受講生にとっては、多くの示唆を得ることができたと同時に、研究意欲が高まる貴重な時間となりました。





当日受講した社会福祉学専攻修士2年生柿木祐輝さん、社会福祉学科4年斎藤優香さんから下記の感想が寄せられました。

 

柿木さん:本日の講義は、相澤先生から「子どもアドボカシー」について学びました。フォーマル、インフォーマル、独立(専門)、ピアといった4つのアドボカシーが補完しあい、子ども自身がセルフアドボカシーを実践できるよう、仕組みを整えていくことが重要だと理解できました。同時にこのような仕組みは、社会的養護に限らず、すべての子どもに必要だと強く感じました。今、家庭で暮らす子どもたちが主体性をもち、保護者に対して意見を述べ、それを尊重してもらえているのか否かということを考えると、疑問が残ります。

日本社会を変えるためにも「子どもアドボカシー」の仕組みや考え方が社会全体に拡がり、根付くべきものだと思います。私も貢献できるよう、本日の学びを研究や実践に活かしていきたいです。大変、有意義な時間でした。どうもありがとうございました。



斎藤さん:今回の講義は、自分自身では考えることができない多くのことを学ばせていただきました。まず、子どもたちが自ら実現したいことを考え、周囲に表明できるようになる、つまりセルフアドボカシーが形成されるためには、他の4つのアドボカシー支援をいつでも選択できるような環境を整えることが重要であると理解できました。特に、独立(専門)アドボカシーにおける基本原則については、意見表明支援員の独立性の担保が重要であり、入所児童の意見表明権の保障であっても、施設内のみで完結するものではないと学ぶことができました。

また、実践上の原則では、コミュニケーション全般における丁寧な確認が重要であることも理解できました。今回の講義から学んだことを、卒業研究に活かし、子どもの意見表明権保障の在り方について考えていきたいです。改めまして、この度は貴重なお話をありがとうございました。

 

私はとくに、相澤先生の「子どもの存在そのものを大切にする」というお言葉が心に残りました。子どもの声、子どもの存在を大切にする社会の実現を願っております。ご多忙の中、大学院招聘講義を引き受けてくださり誠にありがとうございました。心から感謝申し上げます。 

 

(文責 金 潔)

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