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宗教学専攻

【震災と宗教】いわき市における被災地支援活動「浜○かふぇ(はままるかふぇ)」に行ってきました

 10月30日、浄土宗浜通り組青年会が福島県いわき市でおこなっている被災地支援活動「浜○かふぇ(はままるかふぇ)」に、齋藤知明先生(本学会委員)と魚尾和瑛が行ってきました。当サイトでこれまでも報告していますように、いわき市は「震災と宗教」研究会の主なフィールドであり、今回も調査の一環として参加してきました。

 浜○かふぇは、浄土宗の福島教区浜通り組(いわき市、広野町、楢葉町、富岡町、相馬市、南相馬市の浄土宗寺院)に所属する青年僧侶達が組織する浄土宗浜通り組青年会(浜浄青)が主に運営しています。震災直後から炊き出しなどの支援活動をおこなっていた浜浄青は、2011年9月からいわき市内の仮設住宅の集会所で訪問移動カフェ活動を週1回開催するようになりました。その名も「浜○かふぇ」です。

 浜○かふぇは、仮設に住んでいる方々にコミュニケーションをとってもらい、仮設内で独りになる状況を防ぐことを目的に始められました。現在もその目的は継続しており、活動内容は、仮設住宅内に併設された集会場で青年僧侶たちが住民の方々に対して、コーヒーや紅茶、日本茶などの飲み物や、おまんじゅうやポップコーンなどのお菓子を提供することをメインとしながら、時には高齢者の相談に乗ったり、時には子どもたちと一緒に遊んだりするというものです。

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浜○かふぇ、OPEN!

 私たちが参加した日も、青年僧侶が10人ほど集まり、上記と同様の活動をしていました。そのほか、大阪の浄土宗青年会の紹介で慰問に来られた吉本興業所属パフォーマーのTASUKUさんが大道芸や手品を披露するなどし、住民の方々や子どもたちはとても喜んでいるようでした( TASUKUさんいついては、右のURLを参照 http://tasuku.laff.jp/blog/2013/10/post-de8c.html )。

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TASUKUさんのパフォーマンスに驚く、皆さん

 浜浄青会長の柳内悦大さんによると、浜○かふぇが活動する仮設住宅は毎週異なっていて、仮設住宅によって集まる住民の数や年齢層などは様々だそうです。年齢層は、高齢者が中心ですが、子ども達が学校から帰宅するとすぐに集会場に集まり、僧侶や同行したボランティアと遊んでいるとのことでした。今回訪れた仮設住宅は比較的多く集まるところで、40名ほどの住民が集会場に来てくれました。帰宅後訪れた子どもたちは、TASUKUさんから風船の作り方などを教えてもらっていたり、青年僧侶と追いかけっこをしたりしていました。

 あいにく、活動中に大雨になってしまって洗濯物を取り込むためなどで帰宅する人も見られましたが、集まった方々は楽しいひとときを送っていたように感じます。その一方で、「私たちはこれからどうなるのか」や「現在の状態はどうなっているんだろう」といった話も聞こえ、浜○かふぇの場が単なる憩いの場ではなく、住民の方々の情報交換や相談の場になっている、との感想を持ちました。

 この「浜○かふぇ」では、青年僧侶たちはあまり宗教色を出さないように心掛けているとのことでした。つまり、僧侶だからと言って積極的に浄土宗の布教や説教などはしていません。しかし、カフェを始める際は、浜浄青の代表者が自分たちは地元の僧侶であることを説明し、被災者のみなさんと苦しみを共に分け合っていきたいという意思を示します。住民の方々からは「お坊さんが来てくれて嬉しい」といった声も聞かれ、被災地における宗教者の活動の在り様や、宗教者と地域住民との関係の一端が見られました。
 

 浜○かふぇの詳しい活動目的・活動内容・設立経緯などについては、本学会刊行の『宗教学年報』第27輯に掲載しております、小川有閑さんによる「寺院間ネットワークと地域社会のつながり―浄土宗浜通り組青年会の活動から―」をご覧ください。

(文責・魚尾和瑛)

 (この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/