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宗教学専攻

【震災と宗教】いわき・南相馬、震災から3年①

若林彩香記(教育人間学専攻4年)

 東日本大震災から3周年となる3月11日から12日にかけて、大正大学宗教学会「震災と宗教」研究会では、弓山達也先生、齋藤知明先生、小川有閑さん、藤井麻央さん、若林彩香の5名で、いわき市および南相馬市における追悼行事や宗教団体の活動などを見学・参加してきました。調査内容について、今回から2回に分けて若林がお伝えいたします。

 

 11日午前は、弓山先生・若林が立正佼成会磐城教会、齋藤先生・藤井さんが創価学会いわき文化会館、小川さんが孝道教団福島別院の3班に分かれて行動しました。

 私が見学させていただいた立正佼成会の法要は、およそ40人の方が参列されていました。法要後、3.11当時の鮫川・小名浜・永崎海岸・江名港などの津波の映像を見て、教会長さんのお話をうかがいました。

 その後は、「かみしめ法座」がおこなわれました。「法座」とは信者同士が数人から数十人ごとに分かれ、日々の悩みや信仰上の疑問を語り合い、解決策を見出す立正佼成会独自の活動です。今回は支部ごとに行われ、弓山先生と若林もそれぞれ参加しました。私が参加した泉地区の法座では、それぞれの3.11当時の話や、その前後での生活の変化についてお話ししてくださいました。

 釣りのお好きな支部長さんは「震災以前は、週末は海に出て魚を釣っていたのに、震災以後は、それができなくなってしまった。まさか自分が魚を買う日がくるとは思っていなかった」と話されました。また、震災直後、原発事故の関係で茨城県の教会に親族を置いて避難した、という信者さんのお話も伺いました。

 午後は創価学会調査班と合流をし、いわき市内で津波被害が甚大だった平薄磯地区に移動しました。薄磯では、海岸沿いを歩いたのち、修徳院で行われた薄磯地区追悼法要にうかがいました。修徳院は薄磯地区唯一の寺院で、多くの真言宗智山派僧侶が法要を勤めていました。私たちはお寺の外で法要に参列しました。

 こちらは遺族の方々以外にも報道陣が多く集まっていて、地震が起こった14時46分に合わせておこなわれた黙祷の際は、多くのフラッシュ音が響いておりました。僧侶と市民の方々、報道陣を合わせて100人はいたとおもいます。

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薄磯海岸での供養塔

 

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薄磯地区追悼法要が行われた修徳院

 

 

 この日は他にも、久ノ浜にある浜風商店街や、津波被害に遭った後に再建された久ノ浜の秋義神社や星廼宮神社、大規模な支援活動を展開しているグローバルミッションセンターや天理教磐城平大教会にうかがいました。

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西日に映える秋義神社

 

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「ここに故郷あり」星廼宮神社

 

 東北にとっての3月11日は、平日であったにもかかわらずなにか落ち着きませんでした。町中が悲しみと祈りに包まれており、私たちも一日中3年前のあの日を想像せずにはいられませんでした。

 

 (この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

(大正大学宗教学会「震災と宗教」研究会の調査は、大正大学学内研究助成金ならびに科学研究費補助金による成果の一部である)

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