学部・大学院

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宗教学専攻

修士論文はどのように書かれるのか① ー指導会編ー

 宗教学の院生がどのようにして研究を進め論文を書いているのか。修士論文は卒業論文とどの点で異なるのか。そもそも大学院生の1日の生活サイクルや研究スケジュールはどうなっているのか。このように普段知ることはできない大学院生の実態を、今回から数回に分けて紹介いたします。記念すべき初回は、今年度から新たに始められた修士・博士論文指導会の様子をご覧いただきたいと思います。

                                    

 大正大学宗教学研究室では毎週修士・博士論文指導会がおこなわれています。これは、修士・博士課程に在籍する院生が自らの研究の構成や構想を、輪番で発表するものです。指導会には、弓山達也先生や村上興匡先生、寺田喜朗先生、OBの先輩方、所属する院生が参加し、毎週議論が行われています。今回は、その様子を紹介します。

 指導会は毎回、院生1人ずつが研究発表をおこないます。まず発表者が、研究テーマや論文の構成、現在進めている作業などについての報告を行い、その後、先生方や他の院生からの質疑応答、全体での議論という流れで行われます。質疑応答では、研究の目的が明確になっているか、明らかにするための資料や作業が妥当なものか、論文の構成は適切かなどの点を中心に確認を求められます。特に論文の構成や目次については、各章のバランスや結論への運び方について、時には細かい点にまで及んで活発な議論がなされます。また、このようにしたら研究が深められるのではないかという参加者からの積極的な指摘やアドバイスも出されます。

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指導会での発表中の風景

 各発表者は、それぞれの院生が自身とは異なる研究をしていることを意識して、説明不足の発表にならないよう心がけてきました。指導会では、常時おこなわれている指導教授との指導とは異なり、1回の発表で複数の参加者と議論を交わすことになります。その中で発表者は、1人では気づかなかった研究の課題や自身と異なる研究をしているからこそ出てくる新しいアイディアを、先生方や院生から得ることできます。それは発表者だけではなく、参加した院生にとっても同じです。各院生は指導会を通してそれぞれの研究がより進んでいることを意識します。この指導会の在り方が、研究に対して妥協せず本気で臨むという宗教学研究室の雰囲気に繋がっているのではと思いました。

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発表者とフロアとの議論中の風景

 私(長島)自身が発表した際は、1人では気づかなかった点を多く指摘されました。具体的には、論文における目次の構成や研究の意義、先行研究との差別化などについて様々な意見をいただくことができました。こういった緊張感のある発表の場を生かし自身の研究を見つめ直すことは、各院生のより良い論文につながると思いました。

(文責・長島三四郎)

(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

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