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宗教学専攻

2015年度提出の博士論文・修士論文テーマ概要をお知らせします

 

 本研究室では、2015年度、研究生の星野壮さんが博士論文を、修士課程の高田彩さん、高橋麻美子さん、長島三四郎さん、福井敬さんの4名が修士論文を提出されました。ここでは、論文提出者による各論文のテーマ概要をお知らせします。



<博士論文>

【星野壮さん「在日ブラジル人とキリスト教についての研究」】

 在日ブラジル人とキリスト教といった視点から、日本にある既存の教会内で活動するカトリック信徒の運動や対応した司牧者たちの動向を注視。また日本国内に形成されたエスニック・チャーチであるペンテコステ派教会や心霊主義運動についても比較対象として取り上げ、それらの実態を明らかにした。

<修士論文>

【高田彩さん「山岳聖地の観光化と伝統の再編ー武州御岳山を事例としてー」】

 武州御岳山を事例に、山岳信仰における聖地の現代化について考察した。御岳山独自の宗教資源を活かす観光事業「お犬さま活性化事業」「天空芸者宴(てんくうげいしゃないと)」を推進する御師(講員にお札を配ったりする、参詣者の案内や宿泊を業とする神職)たちへの聞き取り調査を行い、御岳山における観光化の過程を検討し、御岳山の宗教資源が再発見・再編される過程を明らかにした。


【高橋麻美子さん「江戸時代後期不二孝における思想的背景について―ジェンダー思想を軸に―」】

 初めて女性の富士山登頂を敢行した小谷三志(こたにさんし)の思想的背景を、ジェンダー思想を軸に考察。女性が富士山入山を禁止されていた時代に、小谷は古来の富士講教義書を紐解き、その中にある男女平等思想についての分析を試み、教団の宗教実践へと応用しようとした。それらの過程を、小谷の日記や弟子たちが残した古文書より、明らかにした。


【長島三四郎さん「戦後沖縄における新宗教の展開ー龍泉を事例にー」】

 戦後沖縄における新宗教の展開について、沖縄で立教・伸長した教団である龍泉(いじゅん)を事例に検討した。論文では、龍泉の救済観・世界観における日本的要素と沖縄的要素を、生命主義的救済観を参照軸としながら明らかにした。

【福井敬さん「高木顕明顕彰運動の展開過程」】

 大逆事件により僧籍を剥奪され、その後宗門内で復権された真宗大谷派僧侶、高木顕明(たかぎけんみょう)の名誉回復にいたるまでの動向について考察した。高木顕明の復権運動にたずさわった人へのインタビュー、「遠松忌」(顕明の追弔法要)への参加や真宗大谷派の機関誌などの調査により、復権のメカニズムを分析した。



 修士論文の提出最終日である1215日には、博論・修論提出者の慰労会が行われました。研究室に所属する院生の他、宗教学に所属する先生方と今年度から宗教哲学特論Bを担当されている髙橋秀裕先生にお越しいただきました。慰労会では、先生方から、学会での発表や学会誌・紀要への投稿を通して、研究成果を披露することの意義や重要性などについてのご指摘をいただきました。


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慰労会の様子:今年の総括と来年の抱負報告

 

(文責 宮澤寛幸)