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宗教学専攻

【宗教学専攻】大正大学宗教学会2018年度春期大会が開催されました

 2018年10月20日(土)、大正大学において大正大学宗教学会2018年度春期大会が開催されました。
今回の大会では、本学OBの大澤広嗣先生(文化庁)の著書 『戦時下の日本仏教と南方地域』(法蔵館、2015年12月)を対象に、東京工業大学の小林惇道さんと本学院生の髙橋さんによる書評、および著者によるリプライを行いました。

 はじめに、著者である大澤先生より、本書執筆の動機に関連するコメントをいただきました。その中で、戦時下における日本仏教の対外進出に関する研究において、東南アジアに焦点を当てた成果が少なく、研究史上の空隙を埋めることが研究の主眼にあることが述べられました。

 高橋さんは、本書全体の中核を担う内容を分かりやすく図示し、その構成を描き出すと同時に、いくつかの書評を元に、本書の意義や課題に関して整理を行いました。その上で、自身の感想、並びに疑問点を述べました。

 小林さんは、本書の記述に即して細かい指摘を行い、今後の研究に繋がる疑問点を指摘しました。また、著者による近年の成果や他の研究との接続に触れながら、本書の意義についてコメントしました。

 著者によるリプライでは、前半は先の疑問点に対する返答、後半は今後の展望について、刊行後の動向、また本書の続編の構想に関する丁寧なご説明をいただきました。今後の展開が非常に気になる内容となっていました。

 今回の大会には、学外からは、東京学芸大学の藤井健志先生にもご参加いただき、かなり突っ込んだ内容のコメントを頂きました。また、質疑応答では、星野壮先生、高瀬顕功先生、寺田喜朗先生、村上興匡先生からも直截なコメントが寄せられました。
 その中で、仏教者の東アジアと東南アジアの関与のあり方の比較、仏教者以外の南方宣撫工作との比較、非宗派史観という視角の利点と難点等、近代仏教史研究上の本書の位置づけ、この分野の今後の課題を視野に入れた様々なコメントが寄せられました。
 また、本書が基礎的な研究として非常に大きな業績であり、今後の研究者への情報提供として大きな貢献をなしていることも確認されました。

 大会後の懇親会には、発表者を中心に、先生方やOB・OG、本学院生が出席をし、議論の続きを通してより一層親睦を深め、盛会のうちに大会は終了いたしました。

 大正大学宗教学会では年に2回、様々な研究発表・報告を行う場を設けています。大学院での研究について学べる良い機会となっていますので、興味・関心をお持ちの方は是非ご参加ください。

                                    (文責・小島一紗)