学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

【宗教学専攻】日本近代仏教史研究会第27回研究大会に参加しました


 6
1日に、東洋大学にて日本近代仏教史研究会第27回研究大会が開催されました。本学研究室からは、教員および大学院生等7名が参加し、個人研究発表では、本学研究室の高橋さんが発表いたしました。

 高橋さんは、「幕末京都の政治都市化と寺院‐宗派横断的な視覚による再検討‐」という題目で、幕末期における伝統仏教教団の動向を、①京都の政治都市化と寺院の問題、②勤王僧の動向という2つの切り口で考察されました。従来、近代仏教史の理解として西本願寺の革新性が強調されてきましたが、高橋さんは、清水寺と月照、智積院と道雅という異なる教団・勤王僧を事例として、教団の組織構造および近世的特有の社会関係を読み解く作業から、当時の状況を再検討する議論を提起しました。フロアからは、土佐藩と智積院を媒介する公家の存在についての質問など、いくつかの質問が寄せられました。

 また今年は、井上円了没後100年ということで、記念シンポジウム「井上円了/哲学館/近代仏教」が開催されました。

 最後に、報告者の感想を述べさせていただきたいと思います。まず、高橋先輩の御発表についてですが、報告者も本願寺派勤王僧を対象とした研究に着手しているのですが、やはり先行研究の動向から、勤王僧の個人史や著作物に注目しがちです。しかし、髙橋先輩の研究をお聞きし、勤王僧が置かれた社会的・政治的布置に留意しながら、勤王僧としての活動が可能になった経済的・社会的条件等に注目することが重要だという示唆を受けました。また、他宗派の勤王僧との比較や本山の動向など、広い視点で考える必要があるということを学ばせていただきました。

 また、今回の学会参加を通じて最新の研究に触れ、現在の近代仏教史研究においてどのような話題が議論の中心となっているのか。また、自分とは異なる研究内容や分野の発表を聞くことで、今まで考えていなかった新たな視点の発見や研究方法など、様々な学びを得ることができました。今回の学会参加で学んだことを糧にし、自分自身の研究に繋げていきたいと思います。

                                      (文責:中塚豊)