学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

【宗教学専攻】大正大学宗教学会2019年度春期大会を開催しました

 2019年8月26日(月)、本学にて大正大学2019年度春期大会を開催しました。
今回の大会では、2019年3月に刊行された星野英紀(大正大学名誉教授)・弓山達也(東京工業大学)編『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』(ハーベスト社)の合評会を「震災と宗教」研究会と宗教者災害支援連絡会との共催で行いました。
 同書は、大正大学宗教学研究室の教員と院生が中心となり集った「震災と宗教」研究会が2011年の震災以降に福島県いわき市と相双地域を断続的に調査してきた研究をもとに執筆されました。

 合評会では、中野毅先生(創価大学名誉教授)、江尻浩二郎先生(東日本国際大学講師)、島薗進先生(上智大学グリーフケア研究所所長・東京大学名誉教授)が評者として登壇されました。

 はじめに弓山先生から執筆までの経緯や本書の概要についての説明をいただき、その後三人の先生方による書評が始まりました。
 中野先生は、第2部の「いわき市における震災後の宗教団体と宗教者」を担当され、宗教者や宗教団体の災害支援体制が時間的経過とともに構築されてきたことを描いている点を評価されました。一方、宗教団体の平時と緊急時における相違点や宗教学者が被災地でボランティア活動などを行いながら調査を遂行することの意義や問題点について考えていく必要性があると指摘されました。

 江尻先生は、第3部の「震災モニュメントと宗教文化」を担当されました。江尻先生は、震災後に建立されたモニュメントの調査や震災をきっかけに復興した地元の祭りを明らかにし、地元民の宗教に対する認識を考察した点を評価しました。また江尻先生はいわき市出身ということもあり、モニュメントや祭りに関しての貴重な情報も寄せていただきました。

 島薗先生は、第4部「住民避難の町から」の書評を報告し、原発事故後の寺院の経験とそこから引き出される事柄がよく見える独創的な研究であると評価しました。また、地域社会における寺院の社会的機能の考察や震災後の個人化と新たな寺檀関係の状況把握などが今後の課題であると指摘されました。
 その後、執筆者からのリプライがあり参加者を含め活発な議論が繰り広げられました。合評会後は懇親会が行われ、議論の続きや情報交換が交わされ盛会となりました。

 大正大学宗教学会では、年に2回、研究発表会を設けています。大正大学宗教学研究室でどのような研究が行われているのかを学べる場となっていますので、興味・ご関心のある方は是非ご参加ください。

                                     (文責:福井 敬)