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宗教学専攻

【宗教学専攻】日本宗教学会第78回学術大会に参加しました(後編)


 前回から間があいてしまいましたが、日本宗教学会第78回学術大会の様子を報告します(前編はこちら)。
今回は、本研究室の先生方、OB・OGが登壇したパネルディスカッションを紹介します。


●「宗勢調査の可能性と個別問題へのアプローチ」
 本パネルでは、村上興匡先生(本学教授)をコメンテーターに、研究室OGの問芝志保先生(国際宗教研究所)が発表者として登壇し、曹洞宗が2015年に行った宗勢調査についての考察と課題について検討しました。
 問芝先生は「調査を通して見えてくる葬祭仏教のこれから」をテーマに発表し、墓じまいや無縁墓の問題を指摘しましたが、調査委員会、研究者や回答者には定義の差異があるとし、今後の課題としました。
 また、村上先生は本調査の課題を明確にし、地方寺院の現状や寺院の財政問題にも触れ、今後は宗勢調査などに研究者がどのように関わるべきかを指摘しました。




●「越境する教派神道―組織化における交渉・葛藤・分裂―」
 本パネルでは、教派神道における各教団(天理教、金光教、黒住教、実行教、大成教等)内外の越境において生じた教団の葛藤、分裂を事例に教派神道の組織化のダイナミズムを明らかにしました。
 弓山達也先生(東京工業大学)は、天理教の教祖在世中の講社の天輪王明誠社の事例から、教団内の下部組織の分裂について考察し、「越境」する教派神道の組織化のダイナミズムを検討しました。


●「近代における暦・国家・宗教」
 本パネルは、本研究室OBである岡田正彦先生(天理大学)を代表とし、近代における暦の形成過程を国家や宗教との関連において考察することによって、近代宗教史のこれまであまり注目されてこなかった側面に光をあてることを目的としています。
 岡田先生は、「国民の祝祭日と仏教の忌日―『仏暦一斑』と『神宮暦』―」というタイトルのもと、皇室祭祀中心の年中行事を記した官暦と、庶民の生活に密着した仏教系の年中行事を記した仏暦を比較・対照しながら、近世から近代にかけての暦と国家と宗教の関係についての考察の糸口を検討されました。




 以上で、日本宗教学会第78回学術大会の報告を終了します。日本宗教学会は、10以上の部会に分かれて様々な分野の発表が行われるため、最新の研究動向を幅広く掴むことができる貴重な機会です。本研究室では、発表の有無にかかわらず、積極的に参加することを推奨しています。

 来年度の第79回学術大会は、2020年9月18日(金)~20日(日)、駒澤大学駒沢キャンパス(東京都世田谷区)にて開催されます。宗教学や宗教に関する隣接分野の研究に興味・関心のある方は、ぜひ参加してみてください。

                           (文責:塚越明香・柳澤最一・大藤椋太)