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宗教学専攻

【宗教学専攻】第197回駒沢宗教学研究会に参加しました

 新学期開始前の3月30日(木)、第197回駒沢宗教学研究会・関東地区修士論文発表会が行われました。本学からは、2020年の本会発表予定がコロナ禍による中止で発表機会を逸した小泉壽さんが、「近世の観音利益 ―『しんとく丸』を中心として―」を発表されました。

発表中の小泉さん

 小泉さんは、観音信仰における利益の多様性とその変遷に着目し、近世の観音信仰の性格を考究しています。本発表では、『今昔物語集』の霊験説話から原型としての観音の利益の類型化を試み、これと近世における「説教」の『しんとく丸』から利益の与え方を検討し、双方の比較から共通性や差異を考察しました。

 小泉さんの発表後には、多くの方から質問やコメントが寄せられました。質疑応答においては、観音信仰研究における今後の課題や研究の進め方にも議論が及びました。

司会の寺田先生と質疑応答中の小泉さん

 

 今回は本学の他に、4大学(東京大学、千葉大学、國學院大學、神奈川大学)から発表がありました。各タイトルは以下になります。

「新宗教における感染症の語り ―COVID-19 影響下における公式メディアを中心に―」

「ヴィーガニズムの視点から見る社会と生き方 ―沖縄におけるヴィーガン実践を事例に―」

「近現代における神社祭式と神楽について ―「楽を奏すること」に関する一考察―」

「山岳信仰における先導師・宿坊の機能に関する民俗学的研究―近現代相模大山の景観変遷の検討を中心として―」

 

寺田先生を囲んで記念撮影。研究会には先輩方もご参加くださいました

 本研究会は、年に一度、宗教に関する研究を行う首都圏の大学院関係者が集まり、各校から修士論文を提出した学生が1名ずつ発表するものです。今回は、2021年、2022年のオンライン開催後、久しぶりの対面開催となり、喜びがあふれていました。

 本研究会のような発表や議論の場があることは、修士の学生にとって励みになるのではないでしょうか。これを弾みに、学会での若手の発表がより活発になることが期待されます。

 大学院進学を考えている方は、この駒沢宗教学研究会での発表を目指して、ぜひ本研究室で共に研究・論文執筆に励んでみませんか?

 (文責:小前ひろみ)

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